研究課題/領域番号 |
22K12316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
久保田 真一郎 熊本大学, 半導体・デジタル研究教育機構, 准教授 (80381143)
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研究分担者 |
松葉 龍一 東京工科大学, 先進教育支援センター, 教授 (40336227)
合田 美子 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (00433706)
鈴木 雄清 大分大学, IRセンター, 准教授 (00333253)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ラーニングアナリティクス / 先延ばし行動 / 学習ログ |
研究開始時の研究の概要 |
学習管理システム(LMS)に記録された学習ログから各学習者の「取り掛かり具合」「取り組み間隔」「取り組み順」の1週間を単位とした変化をもとに,学習者をいくつかの先延ばし行動のタイプに分類する.タイプ別に分類された学習者群に対して,自己調整学習方略をもとにした学習支援を行うことで,学習者に適した学習支援を行うことができ,高い学習効果が得られることを明らかにする.本研究では,学習者の時系列的な状況変化に合わせて学習者群を構成するために,学習ログから特徴量を算出する手法と先延ばし行動のタイプ別に分類する手法を確立する.
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研究実績の概要 |
自分が担当する授業の学習コースの学習ログをもとに「取り掛かり具合」「取り組み間隔」「取り組み順」を表す特徴量を検討した上で,LMS 上のすべての学習コースの学習ログを対象として「取り掛かり具合」「取り組み間隔」「取り組み順」を表す特徴量を検討した. 「取り掛かり具合」は,学習者が学習にとりかかった時刻またはその変化を数値化する. 取り掛かった時刻として,1週間を単位に学習コースにはじめてアクセスする時刻が,1週間のはじまりを0,終わりを1として,どこに位置するかで数値化する(これを「取り掛かり時刻」と呼ぶ).「取り組み間隔」は,学習者が学習に取り組むときの教材にアクセスする間隔を表す数値を利用する.教材のあるページから別のページにアクセスするまでの間隔の平均値(「ページアクセス間隔の平均」)を扱う.すべての学習コースを対象とする場合は,1週間を単位にある学習コースにアクセスして他の学習コースにアクセスするまでの間隔の平均値(「コースアクセス間 隔の平均」)を扱う.「取り組み順」は,時間とは無関係に教材ページにアクセスする順番の変化を数値化して扱う.担当授業のページへのアクセスを区別できる教材を利用する.w週とw-1週でアクセスするページ番号を時系列に並べた2つの数列に対してDDTW(Derivative Data Time W arping)により算出される数列の値の変化度合いの類似度(「ページ遷移類似度」)によりページ遷移の仕方を数値化する.DDTWを特徴量に含め,アンサンブル学習機を構成することで連続で課題提出に失敗する学生を区別できる可能性を確認できた.この結果は,私が担当する授業に限った分析であるため,科目横断的な特徴量を構成する方法を次年度以降検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
私が担当する授業で,先延ばし行動などにより課題提出を失敗する学習者が,全体に対して少なく,陽性データと陰性データとが不均衡であり,今回のアンサンブル学習機の構成に時間を要した.アンサンブル学習機の構成に時間を要したことが遅れている要因と考えている.
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今後の研究の推進方策 |
不均衡なデータに対するアンサンブル学習機の構成を検討できたので,特徴量の拡張と並行して進める.また,DDTWを扱うことでページ遷移の類似度を指標としてきたが,グラフニューラルネットワークの発展により高度な分類ができる可能性があるため,並行してグラフニューラルネットワークの検討も行う.学習者へのフィードバック手法は,生成AIを用いて学習者にちょうど良いフィードバックを構成する手法を確立することを目指す.
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