研究課題/領域番号 |
22K12317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
林 佑樹 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (40633524)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 議論活動サイクル / 議論スキル / セマンティクスアウェア / 適応的フィードバック / メタ認知的振り返り / セマンティクス / 研究ミーティング / 創造的議論 / 多人数インタラクション / 思考整理 / リフレクション |
研究開始時の研究の概要 |
知識創造的な議論活動サイクルを機会とした議論スキル涵養プラットフォームを開発し,この効果を明らかにすることを目的とする.より具体的には,議論活動サイクル(思考整理・産出,他者対話,内省)の思考内容や議論文脈を計算機可読な形式で捉えるプラットフォームを開発し,各々の活動におけるシステム駆動型の介入手法を検討・実装する.そして,プラットフォームの継続利用により議論スキルの涵養に資する適応的・持続的支援の可能性を検証する.
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研究実績の概要 |
前年度に整備した研究活動を包括的に支える議論スキル涵養基盤に基づき,本年度は主に以下の成果を挙げた. (1) 思考整理・産出活動:過去の議論や経緯との連続性,整合性を意識した思考整理を促し,次なる議論への準備性を高める仕組みを検討した.より具体的には,議論活動前後で修正・更新される思考整理データおよび,議論内容と議論資料を対応付ける形で構造化されたデータを基に,議論時に採用/棄却されたアイディアをシステムが捉え,思考の変遷パターンに応じた助言を生成する機能,および過去の議論内容と思考の変遷を確認できる機能を,これまで開発を進めてきた思考整理支援システム上に実装した. (2) 創造的議論活動:議論における学習者の発言とそれによる議論の活性化内容を捉え,発言の意義を肯定するフィードバックを与えることで,創造的議論へのコミットメントを高める仕組みを検討した.議論スキル涵養基盤を構成する議論支援システムを発展させ,音声認識技術および大規模言語モデルを組み合わせた各議論参加者に適応的フィードバックを与える機能を実装した. (3) 議論内省活動:議論時に交わされる他者の有意味な発言(研究を深める発言)について,発言に至る他者の思考プロセスに目を向けさせる内省支援の仕組みを整えた.学習者の思考内容が表明される資料について,どのような内容にどの程度注目しながら議論していたのかを捉える手立てとして資料上の視線情報を可視化する機能を実装し,発言時に注目されていた資料コンテンツの意味内容に立ち入った助言提示により,以降の研究活動・議論に向けたメタ認知知識の獲得・精緻化に資するメタ認知的振り返り支援システムを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の研究計画で予定していた通り,議論活動サイクルを成す「思考整理・産出」,「議論」,「内省」それぞれのフェーズについて,議論スキルの涵養に資する介入戦略とこれを具体化したシステムを開発することができた.初年度に開発を進めた議論スキル涵養基盤の上で各システムが連係しながら動作することは確認済みであり,メタ認知的振り返り支援システムについては,日々の研究活動での実践を通じた初期的な有用性評価を実施しているところである.以上のことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度の検討課題として,構築を進めている議論スキル涵養プラットフォームを継続的に利用し,諸活動の介入支援機能の有効性を評価する予定である.実践と並行して介入支援機能を洗練・拡張するとともに,諸活動を下支えする概念が体系化されたオントロジーの整備も進める予定である.
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