研究課題/領域番号 |
22K12319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
三浦 元喜 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00334053)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | プログラミング学習 / 言語化 / メタ認知 / コメント / コンテキスト |
研究開始時の研究の概要 |
近年、プログラミング学習において学習者の認知誤りやつまずきを早期発見し支援する研究が盛んである。しかし、学習者自身が状況を説明できなくても周りが把握して解決できる環境は言語化の機会を奪うため、真に有益な環境とは言いがたい。本研究では、学習者がエラーの状況や原因、気付きなどを自ら言語化することを重要な学習活動と位置づけ、その活動を促進し習慣付けるための支援環境を構築し検証する。言語化促進のため実行結果やエラーメッセージなど学習中に出現する文章やメッセージについて理解のヒントを提示し自身の考えやコメントを随時表出可能にする。言語化能力の向上や見通しをもった試行錯誤の量に基づいて提案手法を評価する。
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研究実績の概要 |
学習者自らによる言語化を支援・促進させるプログラミング学習手法XCP(eXtreme Comment Programming)を提案し、その効果を検証することを最終的な研究目的としている。 R4年度は、提案手法を実現するための統合開発環境(IDE)と、コメント収集サーバを構築した。当初はWebブラウザ上での実装を予定していたが、対象講義をJava言語によるネットワークプログラミング実験としたため、Java言語で実装した。教材とエディタ、実行確認環境を構築し、その実行確認画面において任意の箇所にコメントを追記できるようにした。これにより、学習者はプログラム実行結果について注釈やコメントを付与することができる。また、その注釈やコメントは実行結果との差分としてサーバ(LMS)に集約され、理解度とコメント活動を対応づけて記録できるようにした。R4年度後期の講義でシステムを運用し、提案手法を用いない場合でのデータ収集を行った。提案手法の概要とシステム実装に関して、国際会議KICSS2022京都で発表した。 学習者主体のプログラミング学習法の開発という観点で、昔話や童話、おとぎ話を題材としたオブジェクト指向ソフトウェア設計の学習法についてWCCE2022広島で発表した。学習者が慣れ親しんだ題材に基づいて設計できるため、理解度と饒舌性を高める効果が期待できる。 また学習者を理解するための技術に関連して、顔の温度変化をサーモグラフィーでリアルタイムに計測し、学習者の感情を推測する手法の開発とその効果についての共同研究、IIAI-AAI-Winter2022で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初はWebブラウザ上で動作するエディタを含む、WebIDEとLMSを改良する予定であったが、研究目的として実行結果にフォーカスしたほうがよいと考え、Javaアプリケーションによる実装に切り替えた。今後必要に応じてWebIDEやLMSとの連携機能を追加していく。
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今後の研究の推進方策 |
コメント収集システムをJavaアプリケーションとして実装することで、ローカル環境に依存する学習にも対応でき、柔軟性が高まった部分もある。実際に、組み込み系の実験講義支援システムにも適用し、運用ができている。今後はChatGPT等を活用した実験系も検討する。
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