研究課題/領域番号 |
22K12324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
浅石 卓真 南山大学, 人文学部, 准教授 (10735632)
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研究分担者 |
宮田 玲 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 講師 (70804300)
矢田 竣太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60866226)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 学校図書館 / VR図書館 / 教材探索 / 情報検索システム / 図書館情報学 / 授業支援 / 学校司書 / 図書推薦システム / 教科書 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、学校図書館による授業支援を促進するツールとして、教材検索に必要な情報を効率的に入力できる打ち合わせシートと、教材となる図書を学校図書館の蔵書から効率的に検索できる教材検索システムを開発する。開発した打ち合わせシートと教材検索システムは、学校現場で探究学習に携わっている小・中学校の教員と授業支援を行っている学校図書館職員に利用してもらい、その有用性を評価する。
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研究実績の概要 |
本年度は、学校図書館による授業支援を促進するツールとして、教材となる図書資料を学校図書館の蔵書から効率的に検索できる教材探索システムBookReachの高度化を進めた。具体的には、従来のBookReachにおける検索結果の表示形式が「書誌情報の一覧」「書影の一覧」の2種類であったのに対して、さらに「背表紙の一覧」「VR空間における3D書架」を加えた4種類とした。これらの表示形式を実現するために、協力校である東京学芸大学附属世田谷中学校の学校図書館の書架をタブレット端末で撮影し、そこから一冊一冊の背表紙画像を切り出してデータベース化した。そして、ゲーム検索エンジンであるUnity上にバーチャルリアリティ(VR)空間としての図書館を構築し、その中に現実の書架を再現した3D書架を構築した。 これらの新たなインターフェースのうち、特に3D書架表示の有効性を確かめる検証実験を行った。検証実験では、学校図書館関係者9名に依頼して、3D書架を利用した擬似的な教材探索を行ってもらった。検証実験後に行った質問紙調査の結果からは、3D書架にはどこからでも図書館の本にアクセスできる点や、学校司書や児童生徒が一斉にブラウジングできる点が評価された。一方でVR空間内での移動には慣れが必要であることや、VR空間内での現在位置表示に関する課題も示唆された。今後はVR図書館内での視線追尾装置を使った実験を行い、その結果をもとに、単に現実の空間を再現するだけではなくVR空間ならではの仕掛け(頻繁に利用される図書のハイライト表示など)を実現する予定である。 その他にも今年度は、以前は社会と理科に限定されていたBookReachの対応科目を、小・中学校の全ての教科に拡大した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究開始当初の目的であった教材検索システムの開発と、教員や学校図書職員による評価実験は、1年目でほぼ完了した。そのため本年度は、開発したシステムをさらに高度化するための新たなインターフェースを開発し、評価実験では参加者全員から有用性を認める結果が得られた。また開始当初、教材検索システムは社会と理科のみに対応させる予定であったが、全教科への対応も実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は教材検索システムBookReachにおいて、出版年や対象学年による絞り込み機能を実装する。特に対象学年については、現在の「小学校」「中学・高校」「大学・一般」という3段階から、「小学校(低学年)」「小学校(中学年)」「小学校(高学年)」「中学校」「高校」「一般」の6段階で絞り込めるようにする。この機能を実現するために、ランダムに収集した100冊程度に対して学校司書に上記6段階のいずれかを付与してもらい、それらを正解データとして機械学習による分類器を構築する。 さらに、最終年度となる次年度はBookReachを多くの図書館に活用してもらい、「教材として使える図書」を事例として登録・公開してもらう。そのために、これまで協力関係にあった東京学芸大学附属小・中学校だけでなく、学校図書館に力を入れている公共図書館などにも広く呼びかけ、過去に学校支援で提供した教材をBookReachに登録してもらう。これにより、本研究の成果を広く社会に還元する。
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