研究課題/領域番号 |
22K12326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
永田 亮 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10403312)
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研究分担者 |
荒瀬 由紀 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (00747165)
内田 諭 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (20589254)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 学習支援システム / ライティング学習 / フィードバック / 解説文生成 / 文法誤り / 意味変化 / 用法変化 / 生成問題の分類問題への近似 / 言語モデルに内在する文法知識 / 語学学習 / 学習支援 / 自然言語処理 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で対象とするのは,英語ライティング学習を支援するAIの開発である.学習者の書いた作文に対して,文法を始めとするライティング技術に関する解説を行うAIである.AI技術の発達に伴い,自然な解説を自動生成できるようになりつつあるが,実現コストと信頼性の両面で依然大きな問題が残る.本研究では,この二つの問題を解決し,低コストで信頼性の高いライティング学習支援AIを実現する.具体的には,(1)大量データから獲得したAIに内在する英文法に関する知識を明示手的な形で取り出す方法論を確立し,(2)その知識を利用して解説文生成する手法を開発する.
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研究実績の概要 |
解説文自動生成の実用化を阻む大きな要因である(1)実現コストが高い,(2)致命的な誤生成が学習を阻害するという二つの問題の解決を目指して,手法の開発に取り組んだ.その手法の一つを発表するために論文作成中である.
また,新た手法の実現に向けて,二つのコーパス間で意味や予報が異なる単語やフレーズを自動検出する手法を開発した.母語話者と学習者の自動比較を通じて,学習者のある集団に共通する特性(誤り傾向や発達段階)を明らかにすることができる手法となっている.特に,単語の意味に関する差異や共通点を扱える部分が新しい.そこで得られた知見は,分類問題として生成問題を解く本研究の根幹に直結する.すなわち,その知見に対応した分類問題のラベル(クラス)として,解説文生成を行う.上述の通り単語の意味に関する差異,共通点を扱えるため,従来難しかった単語の意味に関する解説文を生成する手法の実現につながる.この成果の一部は,国内学会および国際学会で発表済みである.
更に,この手法をプロフィシェンシレベルの異なる学習者コーパスに適用し,学年などの要因により差異を明らかにすることに取り組んでいる.結果を基に,上述のような,分類問題のラベルを創出する予定である.例えば,典型的な用法の間違いがこの手法で自動的に検出可能となるため,その検出結果に紐づいた解説文を出力することが可能となる.この成果も発表すべく論文作成中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り,研究計画に記載した「生成問題の分類問題への近似」を行うための手法を予定通り考案している.また,その手法の評価も実データに対して実施,予想に近い結果を得ている.更に,それらの成果を既に発表または近日に発表する.これらの理由によりおおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,更なる手法の開発を計画している.特に,実データへの適用を通して,手法の振る舞いを分析し,より汎用的な手法とする予定である.
また,成果を取りまとめて学会発表および紙面発表も続けていく予定である.
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