研究課題/領域番号 |
22K12351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
渡邊 圭司 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 専門研究員 (50575230)
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研究分担者 |
須田 亙 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (20590847)
竹峰 秀祐 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質・環境放射能担当, 専門研究員 (40512380)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 窒素循環 / 有機態窒素 / 河川 / アンモニア / 浮遊細菌 / ゲノム / アンモニア化 |
研究開始時の研究の概要 |
河川に生息する浮遊細菌が、有機態窒素をアンモニア性窒素に変換していることを発見した。これは、淡水圏に生息する浮遊細菌が無機栄養塩の供給源として重要な役割を担っているとともに、これまで全く知られていなかった浮遊細菌を介した未知の窒素循環プロセスが存在することを示唆していた。そこで本研究は、①アンモニア化の能力を持つ浮遊細菌の特定とその機構の解明、②アンモニア化の能力を持つ浮遊細菌の現存量の算定、③浮遊細菌を介した窒素の動態及び物質収支の全容解明について研究を進め、それらが地球環境に与える影響を推計する。
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研究実績の概要 |
淡水圏(湖沼および河川)から純粋分離した浮遊細菌の中で、様々な系統群に属する30菌株を選び、次世代シーケンサーによる全ゲノム解析を行った。ポリヌクレオバクター属のサブクラスターPnecDに属するKF003株、リムノハビタンス属のbetI-Aに属するTEGF002株、TEGF003株およびINBF004株の4菌株を除き、26菌株については、完全な環状ゲノム配列を得ることができた。得られたゲノム配列については、国際塩基配列データベースに登録し、誰でも配列情報にアクセスできるよう整備した。また、既存の標準菌株とANIによる塩基配列の比較解析を行ったところ、その多くが新種候補であることが明らかとなった。これらの菌株のゲノム配列につては、これまでほとんど報告例が無いことから、国際誌上での発表を進めた。淡水圏における有機態窒素の化学組成を明らかにするため、HILICモードを利用したLC-QTofMSによる一斉分析法の検討を行った。測定モードにSWATH-MSを併用することにより、アミノ酸27物質、アミノスルホン酸(タウリン)、尿素、尿酸(プリンタ体)およびクレアチニンの一斉分析の最適化を行った。また、尿素を指標物質とした試料保存性の検討を行った結果、河川水を採取した後、1日の冷蔵保存で半量以上が微生物による分解により消失することが明らかとなった。採水後現場で直ちにろ過作業を行い冷蔵保存することで、1日後でも微生物の分解による消失を最小限に抑えることが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでのところ、研究計画に沿って順調に研究が進んでいる。また、研究成果も着実に得られている。様々な系統群に属する浮遊細菌のゲノム解析を特に注力して進めたことにより、どの系統群にどのようなアンモニア化に関わる遺伝子(アンモニア脱水素酵素)が存在するのか明らかにすることができた。特に、バクテロイドータ門に属する細菌は、他の系統群と比較して多くの種類のアミノ酸脱水素酵素様の配列を、ゲノム上に保有していることを新たに発見した。
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今後の研究の推進方策 |
淡水圏に生息するフラボバクテリウム属細菌(Flavo-A3に近縁)の現存量の把握については、この系統群に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを設計し、カスタムオーダーにより購入した。今後は、このオリゴヌクレオチドプローブの特異性を検証し、実際の環境水(河川や湖沼)におけるフラボバクテリウム属細菌の現存量を明らかににする。また、ゲノム解析を行った様々な系統群に属する浮遊細菌の純粋分離株を使用し、各浮遊細菌がどのくらいの量の有機態窒素をアンモニアに変換するのか、そのポテンシャルを培養実験により実験的に検証する。また、環境水中の有機態窒素の化学組成およびその存在量を明らかにすることで、浮遊細菌を介した窒素循環の解明を進める。
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