研究課題/領域番号 |
22K12362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
縫村 崇行 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (40736104)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | DEM / 氷河 / デジタル写真測量 / 氷河表面デブリ層 / 熱特性 / 気候変動 / 衛星画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
第三の極とよばれるアジア高山域を対象に、氷河変動量のパラメータとして「氷河の体積」及び「氷河の流動速度」の変化の空間的な分布と時間的な変動傾向(加速or 減速)の評価を行い、氷河の質量収支に影響を与える気象要素(気温・降水量)との関係を異なる気候システム影響下の地域ごとに求めることにより、近年の気候変動に対する氷河変動の気候変動に対する応答の地域性と、そのメカニズムについて解明する
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研究実績の概要 |
写真測量ソフトウェアMetashapeにおける設定パラメータ調整および、オープンソースの写真測量ソフトウェアNASA Ames Stereo Pipeline (ASP)を用いたデジタル標高データ(DEM)生成を進めている。作成したDEMデータの精度検証に関して、既存の高解像度衛星画像をベースに進めているが十分な精度は得られていない。引き続きパラメータ調整による精度改善を進める予定である。 衛星画像によるDEMデータの精度検証のため、インドヒマラヤのBatal氷河を対象として現地での地上写真測量および熱赤外カメラを用いた氷河表面のデブリ層温度のタイムラプス撮影を実施した。前者の地上写真測量は衛星画像により生成したDEMの傾き・歪みの評価と補正に用いるために実施した。後者の熱赤外カメラによる氷河表面のデブリ層のタイムラプス撮影は氷河融解に関わる重要な要素である表面デブリ層の厚さを表面温度の時系列変化パターンより間接的に求めるためである。熱容量の大きい厚いデブリ層においては表面温度の日変化パターンがあとにずれると考え、そのズレや温度上昇・下降の傾きなどからデブリ層の厚さ推定ができると考えて実施している。 あわせてリモートセンシングデータ(Landsat)熱赤外画像による地表面の温度変化パターン解析も進めており、こちらは2023年のリモートセンシング学会および雪氷学会にて報告を行っている。 フィールド観測による氷河表面デブリ層の熱観測の結果に関しては2024年3月の日本地理学会にて報告を行っており、2024年5月にはJpGU(日本地球惑星科学連合)2024において報告を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドヒマラヤ・Batal氷河における観測データ(地上写真測量・熱赤外タイムラプス撮影)のデータを現在まとめており、今後は衛星による生成したDEMデータとの比較・検証を行う予定である。 あわせて写真測量ソフトウェア(Metashape, ASP)によるパラメータ調整による改善を進める。
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今後の研究の推進方策 |
これまで衛星データによるDEM生成は、試行解析で十分な精度が得られていないことから、無料で入手可能な衛星データ飲みを用いている。今後は現地での地上写真測量データのあるインドヒマラヤ・Batal氷河周辺における写真測量可能なステレオ衛星画像の購入を進める。
2023年度に実施した熱赤外カメラによる観測では低温環境において用意したバッテリーの持続時間が想定より短く、観測時間が少なかったという課題があった。今後は低温環境での日サイクルの温度変化を十分観測可能な熱赤外カメラと耐低温バッテリー環境を準備することで2024年度でのインドヒマラヤ・Batal氷河周辺での再観測を予定している。
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