研究課題/領域番号 |
22K12411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中島 晶 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (20419237)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 難燃剤 / 脳神経系 / 内分泌かく乱物質 / 臭素系難燃剤 |
研究開始時の研究の概要 |
臭素系難燃剤は難燃性を高めるため広範囲のプラスチック製品・部品に添加される化学物質であるが、内分泌かく乱作用と共にその暴露による脳神経系への影響が懸念されている。本研究では、TBBPAが脳神経系に対する毒性を有するかどうかを明らかにするため、①神経精神疾患に関連する行動異常の解析、②マウス脳における神経伝達への影響、③神経細胞に対する毒性影響、について解析する。
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研究実績の概要 |
テトラブロモビスフェノールA (TBBPA)は世界で最も主要な難燃剤である。ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)は近年まで使用されていた難燃剤であるが、その毒性のため日本では2014年に原則製造及び使用が禁止された。TBBPAやHBCDは培養神経細胞において神経細胞死を引き起こすことが報告されているが、その詳細なメカニズムは明らかではない。TBBPAとHBCDにより引き起こされる神経毒性の発現メカニズムを明らかにするため、神経モデル細胞であるPC12細胞にTBBPA及びHBCDを24時間処置し、RNA-seqにより網羅的に遺伝子発現を解析した。発現変動遺伝子の検出及びエンリッチメント解析はiDEP.95により実施した。TBBPA及びHBCDの処置により濃度依存的なPC12細胞毒性が観察された。TBBPAの処置により636個、HBCDの処置により271個の発現変動遺伝子がそれぞれ検出された。エンリッチメント解析によりTBBPA及びHBCDのいずれの処置においても、GO term “endoplasmic reticulum unfolded protein response”でアノテーションされた遺伝子の発現が上昇していることが明らかとなった。リアルタイムPCR及びウェスタンブロット解析により、TBBPA及びHBCD処置後に小胞体ストレス関連遺伝子及びタンパク質の発現が上昇することを明らかにした。さらに、TBBPA及びHBCDの処置により、ネクロトーシス関連因子の発現が上昇していた。以上の結果より、臭素系難燃剤であるTBBPA及びHBCDはPC12細胞において小胞体ストレス応答を誘導し、神経毒性を引き起こすことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臭素系難燃剤であるTBBPA及びHBCDにより引き起こされる神経毒性に、小胞体ストレス及びネクロトーシスシグナルの活性化が関与することをはじめて明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後はマウスを用いたin vivoの実験系において、臭素系難燃剤が脳神経系に及ぼす影響を解析する予定である。また、最近使用量が増加している新規難燃剤についても、それらによる神経毒性発現の有無を検討する。
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