研究課題/領域番号 |
22K12416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
清田 佳美 東洋大学, 経済学部, 教授 (60216504)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | QCM / センサー / CuBr / ガスセンサ / 水分 / 吸着 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、腐食性ガスを高感度に吸着し、高感度にセンシング可能な質量センサの開発を試みる。ガス吸着性に優れる吸着材の選定と吸着容量の増加を図る作製法により、低濃度のターゲットガスを高容量で吸着可能な吸着材を質量センサ上に作製する。このデバイスのガス応答特性を把握し、低濃度センサとしての性能を評価する。並行して湿度影響を評価する測定系を構築するとともに、湿度影響を回避する手法の検討を行う。ハードおよびソフト的に湿度影響を回避する手法の検討を行い、高感度化の条件と性能評価を行う。一連のプロセスでフィードバックをかけて性能向上を図る。
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研究実績の概要 |
今年度改めてアンモニアガスを吸着する吸着材の文献データベース調査およびセンサー応用に関する既往研究の文献データベース検索を行ない、吸着材の種類、アンモニアガスセンシング形態、アンモニアガス吸着性能、センシング条件とセンサ応答挙動の観点で文献整理した。この中で、高感度センシングに適用する吸着材候補を選定した。文献調査で不足の点は吸着材の化学的安定性や長期的な安定性に関する情報であり、この点については選定した材料について実験的に検討することにした。ついで、水晶振動子マイクロバランスを適用し、これに吸着材を複合するデバイスを検討することとした。高感度測定において、汎用型のフローセルが必要であることから、3Dプリンタを活用した試行錯誤を繰り返し、QCMを容易に繰り返し設置可能なフローセルを独自に開発した。同時に、混合ガス組成を調整可能な精密ガス流通系の測定装置を構築した。質量センサを用いる高感度測定においては、ガス流の脈動がセンサ応答に影響するため、マスフローコントローラーを用いた流量制御系を適用した。高感度ガスセンシングにおいては気相中の水分影響が無視できないケースが多いことから、高感度に水分をモニタリングする目的で測定系のラインに半導体RHセンサ、市販のガスセンサ、RH制御系を導入した。選定した吸着材についてQCMとの複合化を検討し、線状高分子ではアンモニアに応答するものの同伴する水分影響が非常に大きく何らかの工夫が必要と判断した。Cuを蒸着もしくはメッキしたQCMを用いてCuBrとナノコロイド粒子との複合系を選定し、CuBr複合QCMを試作して、吸着材のアンモニア応答、センサの応答速度と耐久性を簡易に調べた。その結果、QCMとの複合化によりアンモニア応答を示すこと、このセンサは経時的に劣化し、センシング性能がデイオーダーで低下することを把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、文献データベース検索調査により、アンモニアの高感度分析に向けた吸着材およびデバイス研究の状況を把握することができた。調査に基づいて検討するデバイス形態と吸着材の絞り込みを行った。測定系の検討により外乱要因を考慮した測定系を構築し、特にQCMを簡易に設置可能なセルを開発することができた。絞り込んだ吸着材の一つについてQCMと複合化したデバイスを作成し、ターゲットガスと接触した際の応答挙動について検討を始めることができている。一方で、選定したCuベースの吸着材は構造安定性に問題があり、経時的に不安定になることが確認され課題を生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、候補として検討する吸着材をリストアップすることができた。また、測定系を構築することができた。この成果により、次年度は吸着剤とQCMの複合センサを種々作成し、吸着材の物理化学的構造とセンシング特性並びに吸着材の安定性の評価を行う。これと並行してRHを制御する手法を検討する。
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