研究課題/領域番号 |
22K12420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
薬丸 晴子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 研究員 (40895520)
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研究分担者 |
田中 泉 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 主任研究員 (10270612)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射性核種 / 腸管 / SR-XRF / PIXE |
研究開始時の研究の概要 |
東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、セシウムやストロンチウム、ウランなどの放射性核種による内部被ばくに対する関心が高まった。経口より摂取された放射性核種は腸管から吸収される。しかし、これらの腸からの取り込み機序については未だ不明な点が多い。また従来の小腸からの吸収については臓器単位のバルク定量から算出された組織含有量や吸収率の報告しかない。本研究では量子ビーム技術を用いた分析により放射性核種の腸管での詳細な分布や生体内化学形の解析を行うことで体内動態についての知見を得、これらの情報をもとにした新たな内部被ばく核種の腸管吸収評価法の構築をめざす。
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研究実績の概要 |
東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、放出されたセシウムなどの放射性核種による内部被ばくに対して多くの関心が寄せられるようになった。経口で摂取された放射性核種は腸管から吸収される。しかし、これらの腸からの取り込み機序については未だ不明な点が多い。また小腸からの吸収については臓器単位のバルク定量から算出された組織含有量や吸収率の報告に限られている。本研究では量子ビーム技術を用いた分析により放射性核種の腸管での詳細な分布や生体内化学形の解析を行うことで体内動態についての知見を得、これらの情報をもとにした新たな内部被ばく核種の腸管吸収評価法の構築を目指す。 令和5年度は、セシウムまたはウランを動物(マウスまたはラット)に経口投与し、組織を採取、SR-XRF測定用試料の作製を行った。この試料を用いて大型放射光施設SPring-8での組織内元素分布解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では経口摂取したウラン、セシウム、ストロンチウムなどの放射性核種の詳細な腸管分布や生体内化学形を調べるために、これらを投与した動物(マウス及びラット)モデルを作製し、腸管組織の元素分布をマイクロPIXEやSR-XRF分析による2次元イメージングにより明らかにすることを目指す。核種の局在部位を細胞レベルで調べ、体内への吸収の機序解明の手がかりを求める。 初年度(令和4年度)は組織分布解析用測定試料作製手法や薄切分析標準を用いたSR-XRFでのセシウムの定量法を確立した。その結果に基づき、続く令和5年度にはセシウムまたはウランを経口投与した動物(マウスまたはラット)モデルを作製し、その組織を採取してSR-XRF分析用試料を作製し、組織内分布についての解析を開始した。 <組織移行・取り込み率の把握>セシウムまたはウランを経口投与した動物の小腸、腎臓、及び血液などを採取してICP-MSにより元素量を定量し組織移行量および取り込み率を調べた。経時的変化観察群を設定し、核種移行動態を調べた。 <腸管組織のセシウム・ウラン分布解析>1ミクロンビームでのSR-XRFにより組織の微細構造に対応したセシウム及びウランの分布解析や局所定量について解析を進めた。さらに組織全体の分布様態を把握するため、200ミクロン程度のビームを用いた広範囲イメージングによるセシウム・ウランの分布動態解析を導入した。薄切分析標準による検出感度評価を実施して検出下限を求め、組織の広範囲イメージングにより腸管組織におけるセシウム・ウランの局在情報の取得を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は核種の詳細な体内移行を検討するために経時的変化観察群の補充試料の作製を行い、SR-XRF測定による組織分布様態や取り込みについての解析を勧めていく予定である。
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