研究課題/領域番号 |
22K12422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部) |
研究代表者 |
和田 匡司 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (00413766)
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研究分担者 |
原田 敦史 日本文理大学, 工学部, 准教授 (40612023)
畑 光彦 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (00334756)
古内 正美 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70165463)
那須 正夫 大阪大谷大学, 薬学研究科, 教授 (90218040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 発生源対策 / ダストモニタ / ばい煙 / PM0.1 |
研究開始時の研究の概要 |
環境中のPM0.1主要発生源の一つは工場等の固定発生源であるが、実態の把握が難しい中小規模発生源の情報も含めて検討することが不可欠である。幅広い発生源からの排出情報を取得し、「環境濃度」「人の動き」とともに統合的かつ面的に検討するにあたり、「簡便で」「オンライン対応する」センサが必要となる。本研究では固定発生源を多点同時観測するための新規センサを開発する。最終的には「PM0.1センサ」「人間動態センサ」を持つ既存IoTネットワークと連携することで情報を統合的に評価し、局所的に発生するPM0.1健康リスクを適切に把握し、固定発生源からの個人暴露を定量的に理解する。
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研究実績の概要 |
本課題は、局所的に発生するPM0.1健康リスクを適切に把握し、固定発生源からの個人暴露を定量的に理解することを目的とする。そのために、固定発生源を多点同時観測するための「簡便で」「オンライン対応する」センサの技術開発に取り組み、最終的には本センサを多点同時観測に活用して、IoTネットワークと連携することで「PM0.1センサ」、「人間動態センサ」および既存サンプリング技術による情報を統合的に評価して個人暴露を定量化する手法の構築を目指す。回転式電極による検出機構の実験的検討、排ガスPMセンサの設計・試作と実プラントでの実証、IoTネットワークと連携した固定発生源由来PM0.1個人暴露定量化手法の検証という手順で進め、本年度は、回転式電極による検出機構の実験的検討」に取り組んだ。 実験的検討にあたって、既存のダクト設備を使用するため、新規センサ開発に必要なダクト設備の改良、シミュレーションによる構造検討をした。特にダスト発生部の最適化のため、流体シミュレーションを実施した。ダクト内のダスト分散性向上・ロスの低減のために、複数のアイデアの候補の内から最良の構造を選定した(日本機械学会で発表)。また、既存ダクトのスペックを詳細に検討し直し、現状のダクトが持つダスト分散性やダスト帯電状況等の課題について総括した(粉体工学会誌他で発表)。 一方、考案した流速に影響されない検出機構(回転式電極)の実現性を検討した。簡単なモデル試験器を製作し、実現性を確認した。また、簡単な試験によりセンサを構成する検出電極(形状・寸法等)、回転数の範囲、信号検出(感度・円周方向の信号検出範囲・周波数等)について、検出精度とコスト間の最適条件を実験的に検討し最適化を図っている。実現性の目途が立ち、試作機の設計の方針を概ね決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに進んでいる。一方で、試験ダクト内で発生するダストの帯電が検出信号に干渉して、正確に評価することができないことが分かってきた。ダストの帯電過程をについて検証し帯電の低減を図る必要性が明らかになり、ダスト帯電についても検討項目に追加してダクト試験装置の改良を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「排ガスPMセンサの設計・試作と、実プラントでの実証」、「IoTネットワークと連携した固定発生源由来PM0.1個人暴露定量化手法の検証」の項目について取り組み、個人暴露を定量化する手法の構築を目指す。来年度は今年度に決定した仕様に従い、実証試験用センサを設計・試作し、改良したダクト設備内での性能確認後、国内の実プラントで実証試験を行う。既製品との並行運転を行い、信頼性を比較する。今年度の予備試験では判明していない想定外の課題が得られれば、センサ設計にフィードバックし、センサの完成度を上げていく。
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