研究課題/領域番号 |
22K12423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
カビール ムハムドゥル 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (10422164)
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研究分担者 |
吉村 昇 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (60006674)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Cs除染 / FEM-EK法 / フレキシブル電極 / イオン吸着電極 / セシウム / 除染 |
研究開始時の研究の概要 |
Cs汚染土壌の除染作業は主に表土掘削に限られている。Csは土壌表面に強固に吸着し,通常の環境では簡単には離脱しない。しかし,表土掘削の場合は,膨大に排出される汚染土壌の保管・管理という新たな問題を引き起こす。また,汚染土壌の回復は,放射線環境下での作業であるため,安全・効率的・簡便に行える手法が必要である。通常の動電処理では,土壌から排出された水に溶解したCsイオンを回収するが,その水の流動性制御や回収,さらに排出された水(Cs汚染水)の管理など,課題が多々あり,現場での実用化には至っていない。本研究グループでは,イオン吸着フレキシブル電極を開発し,動電処理による土壌浄化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では,イオン吸着フレキシブル電極を開発し,動電処理による土壌浄化を目指している。この研究の最大の特色は,広範囲にわたって拡散し,容易に土壌から脱離しない放射性Csを,新たに提案された水平電極式動電(FEM-EK)法を用いて,回収する点にある。また,陰極として用いるゼオライト,籾殻くん炭などに吸着・固定・濃縮させることで,安全かつ効率的に除染を実施できる点も大きな特徴である。また,ゼオライトや籾殻は東北地方に豊富に存在する資源であり,地域の資源を有効利用して除染を行うことで,被災地の活性化,また,新たな産業の創生に大きく貢献できると思われる。 研究の目的は(ア)土壌および腐葉土からの重金属除去に実績のある動電処理法を改良した動電法(EK)を用いて,Cs汚染土壌の修復,(イ)除去されたCsの保管・管理に適した,柔軟性及びイオン吸着性を有する動電処理用電極を,天然ゼオライトや籾殻くん炭などを原料にて製造である。EK法を改良した除染方法としてFEM-EK法の確立を目指し,ラボスケールでFEM-EK法による複数回非放射性セシウム(Cs)に人工的な汚染された土壌の5日間修復実験を行った結果,平均60%のCsの除去率に成功した。実験の際,金属制の電極を使用したが,今後は自作した電極を用いても同様な実験を行う予定である。 また,イオン吸着フレキシブル性電極の作製において,電極の製造法に関して知的財産権になるような成果が得られ,特許出願もしている。(学会発表 2件,学術誌 論文1件,特許出願1件)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定通りFEM-EK法による汚染土壌の修復に成功しており,イオン吸着フレキシブル性電極の試作した。また,(非放射性)セシウム(Cs)の吸着に成功しており,今後も電極の改善とCs除染を継続して目指す。
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今後の研究の推進方策 |
改良したEK法による土壌処理法としてFEM-EK法の可能性を確認できたが,次はFEM-EK法を実施する際,土壌の電気特性がどのように変化するかを調べる予定。また,電極作製法のさらなる改善による,高いCs吸着能力及びフレキシブル性の電極を目指す。これらの研究成果を学内外学会で発表し,学術誌にも公表する予定。
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