研究課題/領域番号 |
22K12438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
酒瀬川 英雄 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 人形峠環境技術センター, 研究主幹 (00566250)
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研究分担者 |
中島 基樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所研究所 核融合炉材料研究開発部, 主任研究員 (00899437)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射性廃棄物 / 回収可能性 / 廃棄体パッケージ材 / 複合材料 / 最終処分 / パッケージ材 / 廃棄体 / パッケージ材料 |
研究開始時の研究の概要 |
高レベル放射性廃棄物のオーバーパック材や低レベル放射性廃棄物のドラム缶を始めとするパッケージ材は炭素鋼が選択されている。 ところが、2015年、放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針が改訂され、廃棄物の回収可能性の確保が必要となった。 炭素鋼という材料選択は回収可能性を考えた結果ではなく、特に、埋設中の腐食によって構造健全性を損ない、廃棄体の回収可能性を失う。 そこで本研究は、炭素鋼と比較して、より優れた耐食性をもつ銅合金とより高い耐圧性をもつ超硬合金から構成される全く新しい複合材料を開発し、それをパッケージ材料として利用することで回収可能性を確保することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、放射性廃棄物の廃棄体のパッケージ材料の第一候補である炭素鋼と比較して、より優れた耐食性をもつ銅合金、そして、より高い耐圧性をもつ超硬合金から成る新しい複合材料を開発を目的とする。そして、埋設後の廃棄体の回収可能性を確保することを目指す。 今年度は銅合金と超硬合金の接合条件の決定を目的とした。調査の結果、銅合金と超硬合金を接合させる方法として高温下で拡散接合させて一体構造とさせる方法が最初に考えられたものの、単純に銅合金製の外容器に超硬合金性の内容器を単純に挿入する方法でも、廃棄体パッケージ材に要求される耐食性と耐圧性を損なわないことが考えられた。そこで、製作性の観点から、挿入法により工程が極めて単純化されるメリットが考えられたことから、これを採用することとした。 また、銅合金製の外容器には耐食性が要求されるが、耐食性を保持したまま耐圧性も具備させることができればパッケージ材としてより望ましい性能を発揮することが考えられたため、銅合金の強度特性の改善を図った酸化物分散強化型銅合金の採用可能性を検討するためその耐食性を確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
廃棄体パッケージの複合材料の製作方法として、銅合金製の外容器に超硬合金性の内容器を挿入することで、耐食性と耐圧性を損なわず、製作工程が極めて単純化されることを確かめた。 前年度から引き続いて、耐圧性を担う超硬合金の破壊メカニズムに関する調査をSPring-8における放射光実験を通じて実施した。これより、破壊起点が試験片形状による応力集中の部分ではなく、それ以外の微小欠陥部分にあるという前年度に得られた考えを検証できた。 また、今年度は耐食性を担う銅合金として、純銅、及び、酸化物分散強化型銅合金の耐食性の評価試験を実施した。これより、純銅と酸化物分散強化型銅合金では腐食挙動が異なることを確かめた。酸化物分散強化型銅合金の耐食性に関する観察と考察を実施中である。 これら研究実績から「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度に引き続いて、耐食性を担う銅合金の耐食性の評価及び耐圧性を担う超硬合金の耐圧性の評価を進める。 また、新パッケージ材料による廃棄体製作性の評価のために、今年度までに選択された銅合金と超硬合金の粉末を利用して、廃棄体パッケージのミニチュアサイズモップアップや構造要素等を試作し、実用化のための課題を明らかにし、解決策まで提示する。
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