研究課題/領域番号 |
22K12443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
原田 尚志 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (50640900)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 低炭素技術 / 海洋性珪藻 / イソプレノイド / ゲノム編集 / 代謝工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、独自技術である珪藻類多重遺伝子改変システムを活用し、珪藻細胞のイソプレノイド基本代謝経路改変を行うことにより、内在カロテノイド、医薬品中間体およびバイオ燃料等に利用可能な物質を生産モデル分子として、大量生産に向けた技術開発を目指す。研究期間内においては、① イソプレノイド基本代謝経路強化用多重遺伝子発現ベクター構築、② 内在イソプレノイドをモデル分子とした代謝経路改変評価、③ 異種有用イソプレノイド合成遺伝子導入による生産検討という3課題を実施して目的の達成を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、独自技術である珪藻類多重遺伝子改変システムを活用し、珪藻細胞のイソプレノイド基本代謝経路改変を行うことにより、内在カロテノイド、医薬品中間体およびバイオ燃料等に利用可能な有用イソプレノイドを生産モデル分子として、大量生産に向けた技術開発を目指している。これらを通じて得られる成果は、サスティナブル技術が求められる近未来社会における画期的なモノづくりのアプローチであり、海洋光合成微生物による物質生産モデル研究となり得ると期待される。 初年度であるR4年度では珪藻細胞内のイソプレノイド基本代謝経路の強化を目的に、イソプレノイド前駆体生産経路であるメバロン酸経路をターゲットとし、先行研究から律速因子と推定される3酵素(HMG-CoA合成酵素・HMG-CoA還元酵素・メバロン酸キナーゼ)、ならびにモデル化合物であるα-farnesene合成酵素の遺伝子カセットを含む基本代謝経路強化ベクターを4種構築した。各遺伝子間は、ブタテスコウイルス1由来自己切断ペプチド(P2Aペプチド)配列で連結することでバイシストロン性発現ベクターとして構築し、ベクターの小型化を図った。構築したベクターは、いずれも接合伝達用大腸菌においても安定に保持された。さらに、これら構築したベクターの一部を大腸菌による接合伝達を介して珪藻細胞に導入して選抜し、約50株の形質転換株を取得した。得られた形質転換株については、ベクターが導入されていることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度であるR4年度は、多重遺伝子発現ベクターの構築方法が課題であったが、各遺伝子間をP2Aペプチドにて連結するバイシストロンベクターとすることで、大幅なベクターの小型化と構築の省力化を図ることができた。これによりターゲット遺伝子の増加によるベクター不安定化や大型化にも対応することが可能となり、概ね当初の計画通りの進展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、構築ベクターの導入により得られた形質転換株の生産解析を行い、遺伝子導入効果の検証を行う予定である。特に内在イソプレノイドと異種生産産物との生産バランス解析は、今後生産量の増加を目指すために重要なファクターであると考えられるため、形質転換株での解析を進めていく。
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