研究課題/領域番号 |
22K12465
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
|
研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
小川 健太 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (10533177)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | ドローン / Deep Learning / AI / 画像解析 / 自動カウント / 水鳥 / マガン / 湿地 |
研究開始時の研究の概要 |
水鳥のカウントは希少種保全のためのみならず、その生息地であり貴重な生態系サービスを提供する湿地のモニタリングのために欠かすことができないが、従来法による地上からのカウントはスキルのある人材に依存し人手不足が深刻な課題である。 一方ドローンは各種の自然調査で普及してきているが、多数の個体が対象となる水鳥カウントでは十分に活用が進んでいるとはいえない。本研究では水鳥向けのDeep Learning画像解析手法を開発し、ドローン空撮の5分後に「4月21日、北海道宮島沼、マガン48,471羽、ハクチョウ123羽」のようにカウント可能となることを目標とする。
|
研究実績の概要 |
撮影戦略について:北海道美唄市の宮島沼、及び宮城県の伊豆沼・内沼での撮影を実施した。宮島沼では春に5回、秋に6回撮影を実施と、昨年よりも2回多く撮影を行った。天候がよく、画質がよかった場合、地上からの目視カウントと近い数値を得ることができた。宮城県の伊豆沼・内沼の調査では内沼(約50 ha)を対象とし、ドローン2機による同時撮影を行った。一部撮影の委託も行い、従来よりも性能の高いカメラで撮影を行うことにより、よい画質の画像を得ることができ、こちらでも地上カウントに近い数値を得ることができた。 画像解析について:昨年度導入した、物体検出ツールボックスMMDetectionを使用し、マガンの自動検出とカウントの性能を向上させるための実験を開始した。初期的な結果であるが、AP: 0.966ー0.987程度の高い性能を出すことができた。 成果活用について:当研究室が構築したWebサービスGoose123を用いて、撮影後すぐにマガン個体数のカウント速報値を出すことができた。昨年度は撮影完了からカウント完了まで30分かかっていたが、2024春は25分で完了した。なお、カウント結果は、30,595羽であり、地上からの目視カウントより3,000羽ほど少なかったが、天候が良くなかったことを考えると満足できる結果と言える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下のように概ね順調に進捗している。 (1)撮影について、昨年はよい画像が得られなかった宮城県伊豆沼での撮影にも成功した。 (2)昨年度導入したツールボックスを利用した実験が順調に進んでいる。 (3)成果活用についてWebサービスの更新の計画を立てることができた一方で論文投稿については、予定よりやや時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
撮影戦略について:2023年度の伊豆沼での撮影により、フルサイズセンサを搭載したカメラ(DJI Zenmuse P1)はこれまでに使用していたカメラと比較し、格段に高い画質が得られることがわかった。そのためこれまでの方針を変更し、2024年度は宮島沼でもフルサイズセンサ搭載のカメラによる撮影を実施することを検討している。 画像解析について:今年度構築完了したMMdetectonを用いて、より性能の高い検出器を作成する。具体的には、Yoloやtransformer系のアーキテクチャを使用してより高い性能を達成することを目指す。 また、すでにこれまでの研究成果について論文投稿の準備をほぼ完了したので、2024年度初めごろには投稿を予定している。
|