研究課題/領域番号 |
22K12531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
駒見 一善 立命館大学, 国際教育推進機構, 准教授 (60727238)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中国 / 中華圏 / 台湾 / 対中認識 / 中台関係(両岸関係) / 人的移動 / 対中意識 |
研究開始時の研究の概要 |
中国がグローバル社会での存在感を大きく拡大するなか、「中華圏」では、中国との交流拡大を同地域の経済発展にリンクさせてきた。同時に、中国との直接的な交流拡大がもたらす現地社会との摩擦に現在直面しており、新型コロナウイルスの感染拡大の中、中国への警戒心を高める結果となっている。 本研究では、中国からの人的交流拡大がもたらす政治、社会変容について台湾を中心に、政治的対立を抱えながらも、緊密な中国との経済関係を維持する同地域と中国の政治経済関係、対中認識等に与える影響を分析することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、中国のグローバル展開の中で「中華圏」(香港、台湾、シンガポール等)が中国との経済交流を自地域の発展にリンクさせると同時に、「中華圏」が人的交流という直接的な接触を通じて直面する課題と社会変容について、台湾を中心に、同地域と中国の政治経済関係の変化と対中認識、台湾社会に与えた影響等を明らかにすることを目的としている。 2023年度の研究実施計画に基づき、年度後半に台湾において、政府機関等関係者、研究者への聞き取り調査を実施し、特に台湾は、中国武漢において新型コロナウイルス感染の拡大をいち早く察知し、台湾内での防疫体制の構築に成功した台湾における人的移動のリスク管理の姿勢や対策について研究を行った。 また、人的移動の拡大がもたらした台湾社会への影響、特に若年層への影響等について2024年1月の台湾総統選挙・立法委員選挙において、台湾人の対中国認識が総統候補や政党への投票行動等に与える影響について、選挙立候補者の政見や関係者への聞き取り調査等分析を行った。 2024年1月には、台湾から台湾政治・中台関係研究者を招き、研究会を実施し、台湾総統選挙と中台関係、台湾人の対中認識の変化、特に民衆党に象徴される若年層の動向について、研究報告と意見交換を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナパンデミックの終息後も、日本人に対するビザ免除による中国への渡航は再開されていないなど制限を受けており、現地への自由な渡航や調査が困難な状況が続いている。 そのため、2022年度及び2023年度予定していた中国のグローバル展開と人的往来が与える社会及び対外認識への影響についての研究において、中国との経済統合や人的移動の拡大が周辺地域で顕在化した現地社会の不安や脅威について、中国自身が如何にとらえ、周辺地域の対中国認識の変化をどのように考えるのか、中国からの人的移動に関する政策決定過程、政策決定プロセスの検証に関する中国での文献調査、インタビュー調査の実施は遅延を余儀なくされている。 一部、関係者へのWeb会議システムを利用したインタビュー、来日研究者との意見交換、政府機関資料、報道等を中心とした文献調査を行うなど研究手法の見直しを進めるとともに、台湾での現地調査を先行実施した。 全般を振り返ると、コロナ禍の終息を受けた回復期における、本務校での役職に伴う国際交流業務や学生引率等急増したことで、長期休暇を利用した現地調査に十分な時間を確保できなかったこともあり、本年度の研究活動は必ずしも当初の予定どおりに遂行できたと言えず、「やや遅れている」と自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、台湾において、対中政策の再考を求める2014年春の台湾「ひまわり運動」が学生を 中心に拡大した背景から、台湾若年層の経済統合に対する見方や対中観、特に中国人学生 (長期留学生、各大学の学生交換協定等に基づく短期留学生)に対するイメージやどのような認識を持っているのかについて、学生、大学関係者等への聞き取り調査等で分析を行うため、夏季、春季の長期休暇を利用した海外現地調査を予定している。 同時に、中国への自由な渡航、現地調査が困難な状況が続くものの、引き続き現地への渡航調査の可能性を追求するとともに、台湾等での調査を先行実施し、来年度も中国での渡航現地調査が困難な場合、来日する中国政府関係者や研究者、本邦在住者等へのインタビュー、Webを活用した文献調査、インタビュー調査などを積極的に活用して、研究計画の柔軟な遂行を行い、調査分析を行っていきたい。
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