研究課題/領域番号 |
22K12533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
服部 志帆 天理大学, 国際学部, 准教授 (50512232)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 狩猟コミュニティ / 世界遺産管理 / ジビエ / 屋久島 / 猟師 / 有害鳥獣捕獲 / 世界遺産 / 有害捕獲 / 歴史的変遷 / 狩猟 / 獣害対策 / 歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
今後、日本における狩猟文化の研究は、村落内で行われてきた狩猟や儀礼だけを対象とするのではなく、村落社会の解体と同時に地域において再編成されてきた猟友会の活動や文化をめぐる新たな動きに注目することが重要である。そのため、屋久島において狩猟活動がもつ社会的、経済的、文化的意義を歴史的に明らかにし、地域社会において狩猟コミュニティの再編成と狩猟文化の継承を担う存在として猟友会が果たす役割を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の学術的な問いは、屋久島において狩猟活動がもつ社会的、経済的、文化的意義を歴史的に明らかにし、地域社会において狩猟コミュニティの再編成と狩猟文化の継承を担う存在として猟友会が果たす役割を提示するというものである。目的は以下の4点である。①屋久島の狩猟史を古文書および猟師の聞き取りから明らかにする。②2010年から猟友会で始まった有害鳥獣捕獲の活動実態を明らかにする。③猟友会の若い世代が開始したジビエ販売や革製品の開発、レストランの運営、屋久島犬の保存などについて活動実態を明らかにする。④屋久島における狩猟文化の変遷のなかに現代的な展開を位置づけ、狩猟の多義性を歴史的観点から検討し、猟友会が狩猟文化の継承に果たす役割を検討する。今年度は②、③について情報収集を行った。②については、有害鳥獣捕獲の活動が広域で行われるようになり、猟友会のメンバーは居住域を越えた交友関係をもつようになったが、参加者の居住域が離れているため猟後の飲み会がなくなり、猟友会が行政と連動した職能的特徴を強めていることが明らかとなった。③については、ジビエを消費する主体が観光客であり島内での消費がほとんど行われていないため、レストランでのメニュー開発が積極的に行われるようになっていること、レストラン運営が猟師の減少をくいとめようとする目的を持っていること、環境行政の関係者が新たに猟友会に加わりつつあることなど、新たな動きについての情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は情報収集を集中的に行っているため、発表や論文作成の段階にはいたっていないが、今後研究を展開していくうえで重要なものである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査から得られた情報によって論文を作成する準備は整いつつある。論文作成を視野に、補足情報の収集と執筆活動をすすめていく予定である。また、現地において研究成果の地域還元を目的とした情報発信を猟師とともに行う予定である。具体的には、有害鳥獣捕獲の観察と屋久島犬をめぐる島内外の猟師の交友関係について調べる予定である。
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