研究課題/領域番号 |
22K12539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (80741462)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フィリピン外交 / 大戦略 / 新興国 / 国際主義 / 地域主義 / 東南アジア外交 / 対中関係 / インド太平洋 / フィリピン / 東南アジア国際関係 / 国連海洋法条約 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国際主義と地域主義に基づくフィリピンの外交指導の実態を解明し、新興国の大戦略研究に貢献する。国際主義に基づく外交指導として、南シナ海問題への対応、地域主義外交としてミンダナオを中心とする地域外交、そして国際主義と地域主義が交錯する事例として、フィリピン政府とインドネシア政府との間の排他的経済水域の画定交渉という3つの事例を取り上げる。新興国は、一定の行政能力を獲得してきたとはいえ、外交や安全保障分野における十分な行政能力があるとはいえず、しばしば能力構築の名のもとに大国からの援助を受け入れている。援助を受けながら、自律的な戦略を模索する新興国の大戦略策定の実態を解明する。
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研究実績の概要 |
2022年に発足したフェルディナンド・マルコスの外交政策について、国際主義や地域主義外交に注目して論文「新興国フィリピンの外交―対米関係の強化、地域外交の深化と国際主義の展開」を作成し、『国際問題』に投稿、出版した。同論文では、隣国インドネシアや、ASEAN原加盟国であるシンガポールとの関係などにも注目し、ASEAN外交の枠組みにとどまらない近隣外交の側面に注目した。また、特にインドネシアとの関係強化について、国際主義の観点から分析を行った。また、比日を含む日本と東南アジア諸国との海洋安全保障分野での協力における国際主義の役割について検討し、試論として「FOIP以前の『FOIP』―東南アジアにおける日本に対する信頼についての予備的考察」を執筆、『生活経済政策』に投稿、出版した。また、新型コロナウィルス感染拡大と中国の台頭の新興国フィリピンへの影響について論文 "The Philippines, Australia, and Japan in the Postpandemic World"を執筆し、オーストラリアのシンクタンクASPIの出版物に寄稿した。 また、経済外交の一環である対外直接投資の推進に関して、重要な環境整備政策の一部であるエネルギー行政についての調査を行い、学会報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際主義外交の制度的基盤として大統領府に設置された組織についての実態解明を進めつつある。また、地域主義外交の事例であるブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東アセアン成長地域(BIMP-EAGA)構想の立役者であるフィデル・ラモス政権の元高官とのインタビュー実施に向けた準備も進んでおり、おおむね研究は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査を進めつつ、フィリピンでの現地調査と研究協力者の招聘を進める。フィリピンでの現地調査に際しては、元駐米大使、国際法の専門家であった元外交官、フィリピンの地域主義外交の事例であるブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東ASEAN成長地域(BIMP-EAGA)構想の立役者であったフィデル・ラモス政権の元高官らに対するインタビューを実施予定である。また、フィリピンの対中政策についての調査を精力的に行っている著名なジャーナリストを招聘し、共同研究を進める予定である。
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