研究課題/領域番号 |
22K12563
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
妹尾 裕彦 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70451739)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | サブサハラ・アフリカ / 食糧 / イモ / バナナ / プランテン / 脱穀物化 / アフリカ |
研究開始時の研究の概要 |
サブサハラ・アフリカでは、食糧の供給と消費に関して、最も多く供給される穀物の変化、主食自体の変化、食糧消費での非食用向け割合の増加、などが見られる。だが、これらは個別断片的な知見にとどまっており、これらの総体としての食体系(食糧の供給と消費の体系)の全体像とその変容、そしてこの変容をもたらす要因の作用は、詳らかになっていない。 そこで、本研究では、各種データを用いて、この地域の食体系の全体像を定量的に描きつつ、国毎にも異なるこの食体系の構造変動の位相や展開過程と、この変動をもたらす諸要因の作用を解明する。
|
研究実績の概要 |
本年度は、第一に、サブサハラ・アフリカ(SSA)における穀物輸入に関するこれまでの研究成果の一部を、日本国際経済学会第11回春季大会で報告した。 第二に、SSAにおけるイモ・バナナ・プランテン(RTB)の増産に関して分析し、次の成果を得た。(1)SSAにおけるRTB生産量の増加を主導したのは、西アフリカにおけるイモ生産量の激増である。実際に、SSAのRTB生産量のうち西アフリカでのイモ生産量が占める比率は、1962年には約1/3だったが、2018年には5割超となっている。(2)1962年と2018年の比較で見ると、食糧生産の脱穀物化(食糧生産に占めるRTB生産の割合増)の傾向は、SSAの地域別では西アフリカと南部アフリカのみで生じているが、後者のRTB生産量は僅少なことから、1980年代後半以降のSSAにおける食糧生産の脱穀物化は、西アフリカでのイモ生産量の激増で説明できる。(3)SSAにおいて、人口増を満たすだけの穀物増産が進んでいないためにイモ増産が進んだとする先行研究の図式は、実はSSAの国毎で見れば、さほど広範に観察されるわけではない。(4)西アフリカで激増したとされるイモ生産量の用途面のデータを精査すると、不自然な点が多くあり、この地域でのイモ生産量の激増というデータ自体に疑義を呈さざるを得ない。(5)以上をふまえ、より現実的と考えうる西アフリカのイモ生産量を推計すると、1980年代後半以降のSSAにおける脱穀物化は、あったとしても僅かであり、穀物とRTB、あるいは穀物とイモの生産比は、長期的にはさほど変化していない可能性が浮かび上がる。 第三に、SSA各国の食糧生産量と食糧純輸入量等から構成される食糧消費量や、それによる摂取カロリー量の構成変化等を時系列で分析するために、データを入手し、その整形・加工作業を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた計画の一部を実行できなかった反面で、想定以上の成果を得られた面もあったため。
|
今後の研究の推進方策 |
取り扱うデータが、これまでの研究課題よりもはるかに複雑であるうえに量も多いことから、データの整形・加工作業については、これまでよりも注意深く慎重に行なう必要がある。また、この作業に取り組む過程では、予期せぬ問題が生じることが予想される。そこで、場合によってはプロトタイプ的な作業から問題の有無を検証し、必要に応じて作業手順を修正しつつ進める。
|