研究課題/領域番号 |
22K12570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐藤 美穂 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 准教授 (40607256)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マラウイ / IYCF / MDS / パイルソート / ランキング / 食物禁忌 / 発育阻害 / 健康人類学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、乳幼児の発育阻害(低栄養・低身長)が著しいマラウイで、離乳食に関する禁忌(タブー)が残存する主因としての文化的認識を文化(健康)人類学的に分析し、発育阻害の疫学・公衆衛生学的エビデンスとの関連を明らかにすることである。特に乳幼児の発育・発達に欠かせない栄養素を含む動物性食品について、タブーの存在する文化的要因を理解し、今後の小児栄養に関する公衆衛生的活動に資することを目指す。なお、本研究には、認知人類学の手法であるパイル・ソート、参加型手法の一つであるフォトボイス等、定性的手法を効果的に使用しながらデータを収集する。
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研究実績の概要 |
本研究は、乳幼児の発育阻害(低栄養・低身長)が著しいマラウイで、離乳食に使われる食材に関する人々の文化的認識を文化・健康人類学的に分析することを目的とする。具体的には、1.人々にとって身近な食品・食材がどのように文化的に認識され、分類されているのか。2.栄養不良、あるいは、ある特定の食品・食材の摂取と病気との関連はどのように考えられているのか。3.実際にどのような離乳食がどのように与えられているのか。これら3点を明らかにする。なお、本研究は、特定非営利活動法人ISAPH (アイサップ)のマラウイ国ムジンバ県の事業地において、ISAPH、現地ムズズ大学との協働で実施するものである。目的1に関しては、2022年8月に同地域でISAPHが実施した食事摂取調査から得られた食品の写真を、30名調査参加者に自由に分類してもらい、その理由を聞いた。その結果、参加者は、科学的根拠、食品機能別、対象者の基準、調理やレシピによる、主に4つの基準を基に食品を分類していた。これらの結果を基にMuti-dimentional scaling(MDS)を用いて作図したところ、4つのクラスタに分類された。 続いて、離乳食として推奨する食品、回避する食品を聞いたところ、推奨食品の上位5位に、大豆、メイズ全粒粉、食用油、豆、牛乳、回避食品上位5位には、地元の果物、ネズミ、オクラ、加糖飲料、ドライイーストが挙げられた。推奨理由として、子どもの健康と成長の補助、エネルギーや栄養素が含まれる、ポリッジの材料になる、食品の代替として利用できる、子どもが満足する、などの理由が挙げられ、回避食品の理由には、子どもの心身に害を及ぼす、無益、時期尚早、入手困難、などの回答が含まれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査地のマラウイ国ムジンバ郡で活動するISAPHと共同で実施する研究であるため、日本からリモートでモニタリングしながら継続的に質を担保したデータ収集と分析が継続的に実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度の令和6年度は、これまで収集したデータを論文として発表し、さらに、現地のムジンバ郡保健局や、ムジンバ郡、あるいはマラウイ北部で小児栄養のプロジェクトを実施する団体に対して結果の公表と、今後の対策を検討する会合の開催を予定している。
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