研究課題/領域番号 |
22K12583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
湊 一樹 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター南アジア研究グループ, 研究員 (00450552)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒンドゥー至上主義 / ポピュリズム / インド / 民主主義 / メディア |
研究開始時の研究の概要 |
2014年5月にナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)政権が成立して以降、インドでは政治体制の権威主義化が急速に進行し、「世界最大の民主主義」と称されてきた政治の在り方そのものが大きく変容している。 本研究では、政権発足直後から現在まで80回以上の放送を重ねてきた、首相の月例ラジオ講話『私の思うこと』の内容分析を通して、現政権の政治コミュニケーションのあり方、政治的レトリックと印象操作の手法、イデオロギーなどにどのような際立った特徴があるのか、そして、それが国民の間でモディ首相が幅広く支持され続けているという事実とどのように結びついているのかを実証的な視点から解き明かす。
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研究実績の概要 |
昨年度までに引き続き、ナレンドラ・モディ首相の月例ラジオ講話『私の思うこと』(Mann Ki Baat)のデータの整理と内容の分析を進めた。具体的には、講話内で取り上げられる人物(これは取り上げられない人物を明らかにすることにもなる)、各宗教のお祭り(特にヒンドゥー教の祭り)、政府の政策やスローガン、州・連邦直轄地などのデータを整理し、何らかのパターンや傾向の変化を読み取る作業を続けた。 本課題の研究成果については、編著の一章として出版される予定の英語論文「The Language of India’s Second Republic: A Study of Narendra Modi’s Mann Ki Baat」はすでに完成しており、出版へ向けて編集作業を適宜行っていく。ラジオ講話で祭り(特にヒンドゥー教の祭り)や各州への言及が戦略的に行われている点に焦点を当てた別論文を準備する予定である。 また、本研究課題の内容を盛り込みつつ、モディ政権の2期10年を総括した単著の執筆を進めた。この単著は、『「モディ化」するインド――大国幻想が生み出した権威主義』というタイトルで、中央公論新社から2024年5月9日に刊行されている。 当初の研究実施計画では、ラジオ講話の制作や放送に関わった関係者へのインタビューを行うとしていたが、現時点でその目途が立っていない。モディ政権の秘密性を考えると、関係者から直接話を聞くのは難しいかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、ラジオ講話の制作・放送に関わった関係者へのインタビューを行うことを目指していたが、その目途が立っていない。モディ政権の極度の秘密性を考えると、関係者へのインタビューは難しいかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、毎月放送されている『私の思うこと』のデータ整理と内容分析を進める。月例ラジオ講話の制作・放送に関わった関係者とコンタクトを取れるよう努力する。 編著の一章として出版される予定の英語論文はすでに原稿が完成している。出版へ向けて、編集作業を適宜行っていく。ラジオ講話での祭り(特にヒンドゥー教の祭り)や各州への言及のパターンに焦点を当てた別論文を準備する。
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