研究課題/領域番号 |
22K12584
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 農林水産省農林水産政策研究所 |
研究代表者 |
伊藤 紀子 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (80751809)
|
研究分担者 |
丸山 優樹 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (60832665)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | アフリカ / ケニア / 地産地消 / 社会関係資本 / ネットワーク / 農産物 / インドネシア / ネットワーク分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地産地消への関心が高まっていることを踏まえ、ケニアとインドネシアの稲作農村調査を事例に、農家の域内農産物利用の実態やその社会的背景を明らかにすることを目的とする。具体的には、調査地の農家がどのような農産物や食品を生産・販売・消費しているのかを検討し、地元産農産物利用・「地産地消」の実態を把握する。また、農家の地域内の社会関係や地元への信頼度を、「社会関係資本」の指数により把握する。以上の調査結果より、地域の伝統的食慣行や民族の伝統食への愛着の高まりや、地域内での農産物利用を通じた地産地消が、どのように内発的に推進されているのかを、2つの商業的稲作農村の比較を通じて実証的に把握する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、ケニアとインドネシアの稲作農村における食農システムの長期的変化の要因や、地元で生産される農産物の種類・利用方法の多様性を明らかにする。具体的には、地元産農産物の域内利用と域外への販売、農家による食品の贈与を通じた社会関係構造、地域社会への意識、地元産食品の消費などに注目しながら、社会関係構造が安定的に発展し、地域・民族への信頼感・協力意思が醸成される過程を明らかにし、農家の社会関係資本の蓄積、地域内での農産物利用を通じた、地産地消を核とする持続的な食農システムの内発的な発展のメカニズムを解明することを目的とする。 2022年度は、ケニア・セネガル・インドネシアへの海外出張・現地調査を実施することができ、本研究の対象地域における基礎的な情報収集を行った。各地域における稲作農村地域を訪問し、自給向けの農業生産や家族の食事の提供を行う女性を対象に、基本的な属性、食料消費の意識や実態、社会関係資本、健康意識、消費の長期的変化などに関する詳細なインタビューを行った。また、農林水産政策研究所主催の世界の有機農業・持続的農業・食料消費などに関するセミナー(シンポジウム)における、世界各国やインドネシアにおける持続的な農村開発や有機農業の進展についても研究成果を報告、関連雑誌での世代を超えた伝統的農業システムや食料生産システムの普及の実態や背景についての論考の発表、大学でのケニアにおける調査・研究成果の紹介、アフリカの食料消費や持続的農業生産、農村開発に関して総合的な視点からとりまとめた報告書を「カントリーレポート」の刊行も行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、世界的なパンデミックが沈静化し、ケニア、セネガル、インドネシアへの渡航による海外出張を実施し、現地調査を行うことができた。また、シンポジウムや学会、大学での成果の一部発表、ケニア調査結果の査読付き論文の公表、雑誌などでも研究成果の公表を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度に関しては、社会状況などを見極めつつ、可能な限り計画通りに海外や国内での現地調査・文献調査を進展させていく予定としている。海外出張が困難になれば、インターネットでの情報収集やウェブ会議等のツールを用いながら、情報の収集や結果の分析を進める。また、これまで得られた情報のとりまとめ、研究の進捗具合に応じて、適切に成果のとりまとめと発表も進展させていく。学会誌、一般向けのシンポジウムなどの情報提供の機会を通じ、広く社会に研究成果を公表していくことを予定している。
|