研究課題/領域番号 |
22K12592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
吉川 成美 県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (20645907)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | エコツーリズム / 学び合い / 環境教育 / 海洋漂着ゴミ / 暮らし / 地域文化 / プラスチック汚染 / 市民参加 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は漂着プラスチックゴミによる環境汚染を受ける沖縄県西表島と海流によって繋がるタイ・ベトナムの観光地を学び合いによって繋ぎ、観光資源の基盤であるマングローブをはじめとする生態系や住民の生活文化を含むエコシステムへ甚大な環境被害を引き起こしている漂着プラスチックゴミの影響を受けた地域資源状況に関する国際比較と課題解決型のエコツーリズムの検討を行い、課題解決型のエコシステムのあり方についてサービス、リレーション構築を検討する。市民レベルでの新たなエコツーリズムによる直接的または間接的な導入、および自然資源を活用したエコツーリズムのプログラムによるプラスチック汚染削減案の実現可能性を探る。
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研究実績の概要 |
本研究は、漂着プラスチック汚染への市民レベルでの学び合いによる課題解決型エコツーリズムにより、プラスチック削減案の実現可能性を探るものである。海洋プラスチックごみの地域社会への影響を分析を進めるうちに、解決へ向けて関与するステークホルダーにツーリストを入れて協働体制を構築していくかが解決の糸口になることが明らかになってきた。 このことから、市民レベルでのエコツーリズムへの直接的または間接的な関与、および自然資源を活用した国際間の学び合いによる新たなエコツーリズムのプログラムによるプラスチック汚染削減案の実現可能性と、具体的な環境問題(ここでは漂着プラスチックゴミによる「学び」と観光を掛け合わせた、人と環境の双方に持続可能なエコツーリズムの未来の可能性を明らかにすることとした。 以前はコロナ禍の影響を受け、市民レベルでの取り組みが本格再開できなかったが、昨年は、大学を拠点に海外のアジアの大学を繋ぎ、オンラインで環境教育の切り口でプログラム化に関する知見を得た。それにより、産学連携の環境教育の枠組みをエコツーリズムに適応できるかの検証を行うべく、ビーチクリーンを行う企業に環境教育プログラムへの協働可能性についてヒアリングを行った。 さらに「課題解決型」については、目の前の環境問題への解決を話し合うのみならず、将来にわたり、どのようなエコツーリズムを提供していくのかを地元住民自らがデザインし、運営できる方向を探るべく、北海道標茶町、弟子屈町、別海町と山から里、海を繋ぐ3町が「バイオリージョン」として地域のエコシステムの繋がりのなかから、絶滅危惧種のシマフクロウの保全と教育、フィールドワーク、そしてツーリズムを行っている虹別コロカムイの会を先行事例として調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の実証を推進する西表島とのビーチクリーン活動における産官学連携の新たな手法の模索へと注力することを年間目標とした。まず、環境教育プログラムとエコツーリズムの掛け合わせについては、大学を拠点とした産学連携のプログラムを作成し、学び合いの機会を構築することで、実証的な研究を行うことができた。 さらに企業による取り組みへのヒアリング調査を行うなかで、ビーチクリーン活動や、「スポゴミ」など、エンターテイメント要素の強い取り組みが増加している傾向を確認することができた。さらに他地域の新たな切り口でのエコツーリズムの事例から新たな知見を売ることができた。 年間を通じて、本研究の取りまとめに向けて、エデュケーション、暮らしの再生など、これまでのエコツーリズムに欠けていた将来への目的を明らかにするなかで、概念整理をすることができた。このとりまとめが追い付かず、次年度への課題となった。こうしたことから、「おおむね順調に進呈している」を選んだ。
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今後の研究の推進方策 |
今後はとりまとめに向けて、これまで調査をするなかで、進展してきたさまざまな事例と比較結果を、同じ問題で課題を抱える地域の文化の多様性を重視し、観光業だけではない地域経済、そして伝統的コミュニティ、本来、畏敬の対象である自然生態系の再生をも見据えた「暮らしの学び」を重視する。 そこから漂着プラスチックゴミに対して、学び合えるエコツーリズムをあり方を提案し、住民の生活・伝統文化の再生の方策を抽出する。 そして最終的にコロナ禍を越えて、海洋プラスチックごみからみえてものは何か。もとの観光業に戻すのではなく、住民の生活・伝統文化の再生の方策を見据えた、学びあえるエコツーリズムの在り方を提案する。
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