研究課題/領域番号 |
22K12597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
村上 嘉代子 (平野嘉代子) 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90424895)
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研究分担者 |
山崎 敦子 (慶祐敦子) デジタルハリウッド大学, 大学院, 教授 (10337678)
沢田 史子 北陸学院大学短期大学部, コミュニティ文化学科, 教授 (20456429)
MUHAMMAD NUR・ADILIN・BIN・MOHD・ANUARDI 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (30894208)
中村 真吾 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (50424809)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 画像印象評価 / インバウンド政策 / プロモーション / アンケート / 旅行動機付け / 脳機能測定 / 観光プロモーション / 観光画像 / SNS / ニューロマーケティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ニューロマーケティングのアプローチを用いて旅行者の観光動機を促すこと が期待できる観光画像の提示方法や特徴を明らかにする。本研究では、観光画像提示方法(写真と動画)や画像の特徴(構図)による印象評価の違いを把握し、これらを考慮した観光プロモーションの提案とその効果の検証を行う。客観的評価(脳血流量と心拍の変化)と、主観評価(アンケート)を用い、これらを組み合わせた分析により新しいマーケティング手法を提案する。ウェブやSNSへ掲載する画像のノウハウは現場の経験を基に議論されているのみであるため、本研究では、科学的根拠のある画像の掲載方法を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、2022年度の計画としてこれまでに行った日本の風景に関する静止画と動画を見た際の印象比較のアンケートを改良して日本人、外国籍の被験者に回答してもらった。その結果を踏まえてもこれまでの研究成果と同様であったため、静止画の中でも特に訪日外国人が日本旅行に期待している日本料理のウェブでの印象評価を行うため、日本料理店に代表的な日本料理5品を提供していただき、その料理を様々な角度や構図で撮影を行い、印象比較実験を行うアンケートサイトを構築した。角度としては、真上、真横、斜め45度の3種類であり、構図としては、皿の角度やメインの料理のわきに料理に付随する小物を置く、中央に位置するかなどの日の丸や3分割による構図の違いの比較である。日本語のサイトから、タイ語のサイトを作成し、タイ人も評価を行った。日本人とタイ人の評価の違いについて成果発表を行った。タイ人はチェンマイに住む回答者が多かったため、日本料理に対するイメージに固有のものがあることが推測されるが、結果としては、日本人もタイ人も斜め45度から撮影した料理の写真を好印象であると評価した。皿の角度や構図に関しては、料理によって違いはあるものの、天ぷらのようなつゆを同時に撮影するかしないかによって違いがみられ、つゆを一緒に写す方がより評価が高かった。またアンケート回答者の地域の違いにより、日本料理の入手状況や日本食レストランの数の違い、隣接する環境が海か山などの違いにより、回答に違いがみられることが推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
風景に関する静止画と動画の実験アンケートサイトの結果を分析を行ったが、日本人、中国人、マレーシア人の多くは同じ風景のシーンが静止画でも動画でも大きな差異はなく、日本人よりも外国籍のアンケート回答者の方が静止画によっても十分に好印象の評価が得られた。2022年度はコロナ禍により、コロナ前よりも留学生の数も少ないため、NIRSによる脳血流量のデータ収集に関しては日本人のみにとどまった。このような状況出ったため、データ分析の結果から、写真の有効性検証のための日本料理の写真の評価実験のアンケートサイトの構築に進んだ。計画書においては2023年度に行う予定のものであったが、日本料理の撮影角度や構図に関してより多くの国籍からの被験者を集めてデータを収集することに重点を置くためである。2023年度の計画を前倒しで行い、外国籍のアンケート回答を多く集めることを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降は、日本料理の構図や撮影角度による違いを評価する実験サイトにおいて、日本語とタイ語に加えて、英語、フランス語、中国語を追加して、広くアンケートの回答を収集することを予定している。また、日本人とタイ人の結果については、協力を依頼しているさいたま市や那須町の広報の担当者や観光協会の広報担当者らから意見をいただくために報告会を実施する。さらに、脳血流量変化や心拍、視線の滞在時間についてもデータを収集していく。留学生のデータとしては中国人を予定している。また、印象評価アンケートサイトからのデータ収集は日本人、タイ人、フランス人、中国人、英語圏(マレーシア人)も5か国のデータを比較していく予定である。またこれらの結果についても自治体広報担当者からのフィードバックを得ることを予定している。
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