研究課題/領域番号 |
22K12598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
平松 裕子 中央大学, 経済学部, 特任教授 (30649629)
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研究分担者 |
原田 康也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
森下 美和 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (90512286)
伊藤 篤 中央大学, 経済学部, 教授 (80500074)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 言語景観 / 翻訳 / 文化認知 / 日本文化 / 観光 / スマートフォン / インバウンド / デジタルサイネージ / 世界遺産 / アプリケーション |
研究開始時の研究の概要 |
インターネットを通じ情報が駆け巡る。自動翻訳も精度を増している。しかし、地域文化は独自性ゆえに自動翻訳では内容は伝わり切らない。どのように継承できるか。歴史的に育まれた思考様式の相違が文化圏の異なる人々の心理過程の表出にどう影響するのか。言語景観調査の詳細な検証から探究する。 日光の世界遺産に続く沿道と、欧風文化の色濃い神戸との比較も行い、地域の歴史と個性の存続、変質を捉える。文化特有の認知プロセスを生み出すルートを具体的に検証し、最終的には展開中のアプリケーションに文化圏によって異なる部分を埋め込む。 市井の掲示から具体的に移り行く文化と人を捉え、その成果を市中に展開し、活かす研究である。
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研究実績の概要 |
2023年度は研究者各自が自己の専門分野と言語景観の関連を深め調査研究を実施した。言語景観観察を進めながら、その結果をもとに、海外との比較、翻訳に着目した研究、日本文化の特徴の抽出などを行なった。海外在住中のメンバーともオンラインでの打ち合わせを行い、文化圏における言語景観の共通点や相違点を話し合い、2024年に向けて研究の方向性を固めることができた。 継続調査の中では日常生活の中で変化していく言語景観を捉え、動きの中でも残る文化的要素・調査区域の独自性の抽出が進んだ。店舗の掲示変化を観察し、移り行く価値の低いものとして見るのではなく、取捨のあり方、変化の傾向を具体的に調査した。 また、昨年につづき、認知科学会全国大会におけるオーガナイズドセッションが採択され、第40回全国大会オーガナイズドセッション (OS04)「 言語景観と名辞における多言語の交錯:認知環境と認知エージェントのインタラクション」を組んで、成果を発表するとともに、研究者間の意見交換を実施した。 国際学会における発表も行い、その中においては、翻訳に関して日本語と英語間のように著しく異なった扱いを必要する機会の少ないインド・ヨーロッパ語族間の研究者と意見交換を行い、幅広い分野を扱う言語景観の研究に関して意見交換を行った。その一方で、標準化の進む傾向が国内外で見られ、単語レベルを中心に言葉の伝播に関して、共通した認識を確認した。また、スマートフォンという媒体を通し、言語景観が実際に沿道に展開された言語だけでなく、自動翻訳やQRコード掲示により、その先に情報受容者の選択により広がっていく状況を確認した。 2024年度に向け、文化的要素の交差と理解に関して研究を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年同地域の景観調査を継続し、比較検討に入るという当初の予定通りに研究が進んだ。 検討要素を分類し、翻訳にみられる文化的特徴の抽出するという点に関しては、日本語の「見立て」と欧米の20世紀文学などの理論との比較などを行うことができた。 文化圏の相違による認識の差異に関しては、国際学会における意見交換などは行えたが、実際の観光客など言語景観の受容者に関する調査に関しては2024年に実施予定である。研究者のアプリへの実装に向け地元と打合せを開始し、研究成果はEDULEARNや認知科学会等において発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
日光における継続調査を実施し、3年間の調査研究成果をまとめ、文化圏に考慮したコンテンツ、日本文化を伝える入り口となる部分を作成し、これを「日光仮面ナビ」に実装することを目指す。その際には、日光と神戸における観光客調査やヒアリングを行い、調査結果を今日の観光に照らし合わせ、研究結果と地元の要望、今後の観光動向とのすり合わせを行う。 留意点としては情報を絞りこみがある。多くの情報を一方的に発信するのではなく、情報受容者の想像力を誘う部分を研究成果よりどう導くかという点があり、文化認知におけるこれまでの研究の実践を目指す。 最終年度にあたり、観光学における文化受容傾向の調査研究のみでなく、文化心理学、言語学、工学に関してそれぞれ研究者は国際学会における発表を行い、成果を国内外において発信する。
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