研究課題/領域番号 |
22K12603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
小池 則満 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50293741)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 観光防災 / 鉄道防災 / 事業継続計画 / 災害 / 地域鉄道 / 事業継続 / 防災 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の観光資源化の進む地域鉄道路線と災害に関する歴史的背景、近年の構造物被害、観光に関する展開状況から、リスク指標の構築を行い、鉄道事業者の事業継続計画に関する方法論を示すことを目指す。そのための現地調査やアンケート調査等を行う。これにより、「被災の程度に応じた復旧・復興のシナリオがあらかじめ用意されており、被災時にはこれを修正しながら対応を進めることができる」状態を社会実装できるようにしたい。
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研究実績の概要 |
我が国の観光資源化が進む地域鉄道と災害リスクとの関連について論じるための調査、分析を進めた。具体的には、昨年度、愛知県蒲郡市において行ったアンケート調査データの分析を進めた。かつては観光路線として機能したが、モータリゼーション等で観光の乗客が減少し、存廃にむけて議論がなされている鉄道路線について、同じ市内でも沿線と非沿線で意識に有意な差がみられること、鉄道に対しての観光資源・存在価値は認めるものの、やはり交通機関としての意義を重視している様子などを明らかにすることができた。 次に、被災して運休等の状態になっている路線や、鉄道観光に取り組んでいる地域の現地調査を進めた。調査は被災した鉄道施設の現状を被害報告等を参照しながら確認するとともに、鉄道観光に努める地域の方へのヒアリングを行った。また地域鉄道に関する勉強会参加なども行い、広く情報を得るように努めた。その結果、鉄道施設周辺の災害リスクと対策(砂防、河道の掘削など)との関連が問われること、平時から鉄道観光そのものに沿線住民の理解を得る必要であること、などの問題点を整理できた。 上記の調査に平行して全国の地域鉄道事業者の施設等が地域のハザードマップでどのように表記されているか、データ整理を進めた。多くの事業者では車両基地等の重要施設は災害リスクの低い場所に立地しているが、いくつか浸水想定がされる場所にある事業者がみられた。こうした災害リスクを総合的に提示できるよう、とりまとめを進めることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度におこなったアンケート調査の分析、現地調査による実態把握等は順調に進んでいる。特に鉄道観光に取り組む地域や、被災して長期運休が続く鉄道の沿線地域における現状を調査でき、鉄道の観光資源化の課題を整理したことは有意義であったと考えている。 また、蒲郡市におけるアンケート調査の分析結果についても、学会発表に向けた準備を進めているところである。 当初予期していなかったこととしては、令和6年1月に発生した能登半島地震での鉄道施設の被災や被災地復興における役割等に関する調査が挙げられる。本研究と関連のある事象であり、被災地の状況に配慮しつつ、次年度になんらかの形で盛り込みたいと考えている。 以上のような進捗から、「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
最終目標である事業継続計画モデルの構築に向けたとりまとめを行う。具体的な評価指標の構築を進め、「カルテ方式」として改善点などをわかりやすく図示できるようにしたい。ここで”鉄道観光”そのものの再定義も必要と考えている。各路線において、取り組んでいる内容、地域との関わり方が千差万別である。SLや観光列車を定期的に運行している路線もあれば、大きな投資を伴う観光列車の投入は行わず、草の根的に路線や沿線の魅力を発信している場合もある。また、鉄道は、興味のある方からは観光資源として大いに魅力のあるものだが、興味のない方にとっては観光資源ではなく、あくまで移動手段であり、各地域での事情もさまざまである。地域に従来からある観光・誘客組織、あるいは文化施設と、鉄道観光に取り組む方との連携も求められよう。こうした鉄道観光に対する形態の違いについても着目していきたい。最後に種々の外的要因との関連を再整理して今後の研究課題をまとめる。 また、研究の最終年度となることから、学会等での研究発表を積極的に行っていきたい。
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