研究課題/領域番号 |
22K12606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 現代アートと文化観光 / アートフェア / 美術市場の税制 / 美術品の価値評価 / フリーポート / 伝統工芸と文化観光 / 美術市場と観光 / 美術市場のエコシステム / 美術市場と税制 / デジタルアーカイブの観光への活用 / デジタルアーカイブの産業化 / 混合財としてのデジタルアーカイブ / デジタルアーカイブにおける資金循環 / 文化観光とクリエイティブ産業 / 観光における知的財産権の活用 / 文化観光と工芸産業 / 博物館・美術館と文化観光 / 文化観光とデジタルアーカイブ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、文化観光の波及効果、特に文化と観光の資金循環の仕組みを明らかにすることである。文化観光政策では、文化を観光に活用することによって観光の付加価値を高め地域に様々な波及効果を生むとされている。本研究では、どのような条件下であれば、こうした効果があるのかを検討する。 また、観光から文化の側への資金の流れを国際比較を踏まえて明らかにする。文化観光で生まれた資金が文化の側に再投資されるためには、文化の側の財源が多様で資金還流の入り口が準備されている必要がある。本研究では、知的財産権やデジタルアーカイブの産業化といった無体物からの収益にも光を当て、新たなビジネスモデルを提示してみたい。
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研究実績の概要 |
2020年に文化観光推進法が制定され、文化庁も文化観光に関する様々な政策を行っている。文化庁によれば、「文化観光とは、「有形又は無形の文化的所産その他の文化に関する資源(文化資源)の観覧、文化資源に関する体験活動その他の活動を通じて、文化についての理解を深めることを目的とする観光」である。近年、外国人観光客が増加している現状に鑑みれば、外国人が日本の文化を体験する場を整備するとともに、そこでの消費が文化へと再投資される仕組みが求められる。 文化観光には様々なものがあるが、現代アートに触れる体験もその1つである。現代アートと自然の風景や生活文化が融合した瀬戸内海の直島も、外国人観光客の人気を集めている。そうした中で、日本にかけているものの1つにアートフェア等を目的とする文化観光がある。日本の美術市場規模は、対GDP比でみても非常に小さい。日本に現代アーティストがいないわけではなく、海外で高い評価を受けているアーティストもいる。なぜ、日本では美術市場の市場規模が小さく、アートフェア等が未発達なのだろうか。 その原因として様々なことが指摘されているが、本研究では、経済学的観点から美術市場をめぐる税制に注目した。その理由は、美術市場の税制に関してほとんど研究が行われていないからである。近年、アートフェアや海外からの作品を展示するギャラリー設置のハードルを下げようとフリーポート(経済特区)も導入された。他に、指摘されるのは現物寄付の際の寄付税制における美術品の評価方法や相続税等である。 こうした問題を検討し、学会発表を基に書き上げたのが「美術市場と税制」という論文である。 他には、伝統工芸分野において、文化観光が伝統工芸産業の活性化に寄与するための条件を明らかにするために、文化経済学会<日本>の中に、「産業としての伝統工芸研究会」を立ち上げ、共同研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究のスタート時には、まだ、新型コロナ感染症の影響があったため海外への渡航が難しく、国際比較研究が遅れていた。2023年度からは徐々に遅れを取り戻すように努めている。
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今後の研究の推進方策 |
美術市場に関する論文が掲載されたため、今後は、産業としての伝統工芸研究会の共同研究に注力しつつ、伝統工芸分野の文化観光のあり方に関して研究を深めていきたい。また、2024年から特に顕著になったオーバーツーリズム問題に関しても、文化観光における資金循環に着目して京都市等を事例に分析を行ってみたい。
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