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訪日外国人への災害情報提供の方策と観光災害マネージメント

研究課題

研究課題/領域番号 22K12627
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80020:観光学関連
研究機関名古屋国際工科専門職大学

研究代表者

佐藤 久美  名古屋国際工科専門職大学, 工科学部, 教授 (00645632)

研究分担者 岡本 耕平  愛知大学, 文学部, 教授 (90201988)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード訪日外国人 / 災害情報 / 災害文化 / 観光災害 / 訪日外国人旅行者 / 災害 / 避難情報 / 多言語情報提供 / 観光災害マネージメント
研究開始時の研究の概要

災害が起こった際、外国人旅行者に言語の壁を越えて迅速、的確に情報を伝えるにはどうすればよいか。日本人とは災害文化や災害経験が異なる外国人が日本滞在中に災害に遭遇した時に、どのような災害情報を必要としていたのか、情報がないためにどのような混乱が起きたのかを災害発生地域で旅行会社、交通機関、自治体等の行政機関で聞き取り調査を行う。災害発生時から時系列的に整理をしたうえで、1)災害時に訪日外国人旅行者に対して提供されるべき情報を明確にし、2)これら情報を、言語や災害文化の壁を越えて訪日外国人旅行者に正しく・迅速に提供できる方法を考察し、研究代表者らが構築したテンプレート翻訳システムの改良を行う。

研究実績の概要

・2018年に発生した北海道胆振東部地震において外国人旅行客が影響を受けた札幌市の状況について,2019年の調査に引き続き,2023年8月に現地調査を行った.新しい試みとしては以下などがあった.①2018年の地震時に延泊等を断るホテルがあり,多くの外国人観光客が野宿状態なったことなどを踏まえ,札幌市MICE推進部が宿泊業界と「災害時における旅行者の受入れ等に関する協定」を結び,災害時には一時的に宿泊地でケアをする,宿泊者以外の観光客も受け入れることなどを申し合わせた.②2018年の地震時に多くの外国人観光客が北海道からの脱出方法を求めたことを踏まえ,国土交通省北海道運輸局観光部がウェッブサイト「北海道旅の安全情報」を多言語で開設した.災害時には、交通事業者がこのサイトに情報を入力し,北海道からの脱出方法についても掲載される.
・別の科研との共同調査として, 2023年6月に大分県別府市内の58宿泊施設に訪問調査を行った.コロナ禍以前(2019年)の外国人宿泊客の割合は中小規模の施設で高く,外国人が80%を占める施設もあった.防災上の問題点は,宿泊施設における夜間の従業員の少なさである。深夜の滞在従業員数は大規模施設でも平均2.3,小規模施設では平均1.0,深夜の従業員が皆無の施設もあった.深夜に発生した上記の北海道胆振東部地震では,外国人宿泊客の3割が宿泊先の従業員からの情報が重要であったと回答している(株式会社サーベイリサーチセンター調査)ことを考えると,深夜の災害時に外国人宿泊客にいかに情報提供を行うかは重要な課題である.
・全国善意通訳ガイドの集い(石川県金沢市.2023年11月)に出席し,外国人観光客を対象にしたボランティアガイド団体に緊急時にどのような情報提供をしているか聞き取り調査を行った。多くの団体では、きちんとしたマニュアルを備えていないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍で激減していた訪日外国人が再び増加し,また国内調査もやりやすくなり,通常の調査が可能になった.

今後の研究の推進方策

・外国人に防災情報を提供するためのテンプレート翻訳システムは,谷謙二・埼玉大学教授(当時)が開発中のフットウェアを利用する予定であったが,谷氏が2022年に逝去したため開発が中断していた.ご遺族の協力によって開発中だったソフトウェアが手に入ったので,テンプレート翻訳システムの完成を目指す.また,システムに搭載する防災情報について,在住外国人向けに作成された従来のものを,観光客向けのものに変更する.
・阪神淡路大震災(1995年),東日本大震災(2011年),熊本大震災(2016年),北海道胆振東部地震(2018年)の被災地で聞き取り調査などを行なって,調査結果をまとめてきた.外国人を対象にした情報提供がどのようになされてきたか,過去の経験などがどのように活かされていたか,災害文化としてどのように蓄積されてきたか,などを概観し,ArchiMate(アーキテクチャモデリング言語)にて表わして分析を行う.その上で,見落とされてきたことを明確にして,外国人住民及び外国人観光客にどのような情報提供を行うことが有効であるか論文としてまとめ,国際学会にて発表を行い各国の出席者と議論をする.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 災害情報共有文化の進化論2024

    • 著者名/発表者名
      山本修一郎, 佐藤久美
    • 雑誌名

      人工知能学会第二種研究会資料

      巻: 2023 号: KSN-034 ページ: 01-06

    • DOI

      10.11517/jsaisigtwo.2023.KSN-034_01

    • ISSN
      2436-5556
    • 年月日
      2024-03-11
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 災害情報共有文化の進化論2024

    • 著者名/発表者名
      山本 修一郎, 佐藤 久美
    • 学会等名
      人工知能学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 今こそ学ぼう地理の基本 防災編2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川直子・鈴木康弘編著,宇根寛・ 遠藤宏之・岡本耕平・平井史生著
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      山川出版社
    • ISBN
      9784634592049
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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