研究課題/領域番号 |
22K12634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
李 根煕 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (20635487)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | シェアリングエコノミー / サービス業界 / 労働力不足 / 観光産業 |
研究開始時の研究の概要 |
2020年に世界的に流行し始めた新型コロナウイルスの影響により、世界経済は第二次世界大戦以来最悪の景気後退に直面している。コロナ禍において莫大な損失を受けた観光産業では現在、ライバルであった既存の宿泊サービスや交通サービスと新規シェアリングエコノミーサービスが力を合わせ、互いに補完し合いながら産業全体の持続可能性を追求する戦略を立て直す必要がある。本研究は、双方のメリットを比較研究しつつ、デメリットを補うための課題を理解することで、新型コロナウイルスの影響下で持続可能な観光産業の発展のための戦略モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
研究目的:本研究は、既存の観光サービスと新たに市場に参入したシェアリングエコノミーサービスがコロナ禍において直面している共通の課題を特定し、それぞれのサービスが持つ独自のメリットを活かして、ポストコロナ時代において互いに持続的に生き残るための戦略を提案することを目的としている。この目的を達成するために、今年度8回の企業インタビューを実施した。インタビューは、京都の町家の女将を対象に3回、大分交通のバスの運転手を対象に5回行った。これらのインタビューでは、以下の項目に焦点を当てた。 1)コロナ禍によって引き起こされた共通の課題の特定:各企業がコロナ禍において直面した共通の問題や困難についての洞察を得ることを目的とした。2)独自のメリットの活用:各企業が持つ独自の特徴や強みを把握し、それらをポストコロナ時代において生かす方法について議論した。3)持続的な生存戦略の提案:インタビュー結果に基づいて、既存サービスと新サービスが相互に協力し合いながら持続的な生存を図るための具体的な戦略案を提案した。4)インタビュー結果の分析:インタビュー結果から、既存の観光サービスとシェアリングエコノミーサービスが直面している共通の課題を特定することができた。これには、需要の減少、信頼の問題、衛生対策の強化、資金難などが含まれる。また、各企業が持つ独自のメリットとして、京都の町家の女将は伝統的な文化体験と質の高いおもてなしを提供し、大分交通のバスの運転手は安全な移動手段と地域の情報提供に力を入れていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、観光業界の中で特に宿泊業と運送業を対象に企業の協力を得て、インタビューを行った。これにより、貴重な情報を収集し、データ分析を行うことができた。収集した情報や分析結果を踏まえて、2023年度の活動に活かしたい。
インタビューの実施:宿泊業と運送業の企業様から寛大なご協力をいただき、インタビューを実施した。インタビューでは、各企業の経験や課題について詳細なお話を伺い、また、企業の特徴や取り組みについても探求した。これにより、観光業界における宿泊業と運送業の共通の課題や独自のメリットを明らかにすることができた。
データ分析の展開:インタビュー結果を元に、データ分析を行った。収集した情報や洞察を基に、観光業界における宿泊業と運送業の課題やトレンドを把握した。さらに、各企業の独自のメリットを分析し、ポストコロナ時代において互いに持続的に生き残るための戦略を提案するための基礎データを得た。
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今後の研究の推進方策 |
1)データ分析の詳細化:収集したインタビューデータをより詳細に分析し、観光業界の宿泊業と運送業の課題やメリットを明確化する。この分析結果を基に、ポストコロナ時代における持続的な生存戦略をより具体的に提案する。2)ベストプラクティスの洗い出し:インタビューで得られた情報やデータ分析結果を基に、宿泊業と運送業の間で成功しているベストプラクティスを洗い出す。これにより、各業界の企業が互いの経験を学び合い、相互協力を促進することができると期待する。3)連携と情報共有の促進:観光業界の関連組織や団体と連携し、研究成果を共有する。関係者との定期的なミーティングやワークショップを通じて、インタビュー結果やデータ分析の洞察を広め、意見交換や共同プロジェクトの機会を創出する。4)研究成果の発信と普及:報告書や論文の執筆を進め、研究成果を広く発信する。12月の学術会議(観光学研究学会)や業界イベントなどへの発表や、オンラインプラットフォームを活用した情報発信を行い、観光業界の関係者や学術コミュニティにアクセス可能な形で成果を普及させる。
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