研究課題/領域番号 |
22K12635
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | せとうち観光専門職短期大学 |
研究代表者 |
平 侑子 せとうち観光専門職短期大学, 観光振興学科, 講師 (00866882)
|
研究分担者 |
安村 克己 せとうち観光専門職短期大学, 観光振興学科, 教授 (00230243)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 感情労働 / 観光業 / 専門職 / ホスピタリティ / 観光産業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「感情労働」を価値中立的な概念に再構成し、当概念の有効性を検証するため、観光業における対人サービス分野への適用を試みる。対人サービスが労働の主軸となる観光分野において、現時点で感情労働に関する議論の蓄積は少ない。その背景には、当概念が、提唱段階ですでに否定的な含意を持つ点が挙げられる。 そこで本研究では、①労働形態としての感情労働概念の体系的な捉え直しを行い、②ホスピタリティ理論との関連性を検討し、③労働者と顧客間の「社会的なやりとり」を再考する。これらを通して、観光業従事者の感情管理プロセスを理解し、再構成した「感情労働」概念の対人サービス労働への適用を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、「感情労働」概念を観光業における対人サービス分野への適用に向けて問い直すものである。そのために、(1)感情労働を価値中立的な概念へと再構成すること、(2)同概念を観光業を中心とした対人サービス労働へと適用させることを研究の目的としている。2023年度は、本概念の観光業への適用を目指すにあたり、「感情労働」概念の提唱者であるA.ホックシールドが述べる感情労働従事者の職業条件の問い直しを行った。 具体的には、感情労働従事者の感情の「支配」(control)は雇用者によってのみ行われることであるのかという点の再検討である。この点に関しては、先行研究でCas Woutersらによってすでに疑問は呈されているものの、具体的な議論はされてこなかった。本研究は主に観光業に焦点を当てているが、前線で観光客と接点を持つ観光業従事者は必ずしも被雇用者、すなわち上司によって感情労働を監督される立場ばかりであるとはいえず、またそのような立場の違いによって感情労働の有無や、感情を用いた労働内容に違いが生じているのかも明らかになっていない。上記の研究目的(2)「観光業を中心とした対人サービス労働へ適用させること」を達成させるにあたり、感情労働従事者の職業条件に関する再検討が新たな研究課題として見いだされたため、2023年度は、労働社会学および職業社会学の観点から、被雇用者に限らず、ホワイトカラーや専門職業者の労働における感情労働の可能性について考察をはじめている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
観光業に焦点を当てた感情労働に関する海外文献の収集、および産業・労働社会学に関する資料収集を進めている。しかし、2023年度後半より研究代表者の妊娠に伴う体調不良が続いたことから論文執筆等、考察のまとめは十分に達成できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度からは、感情労働従事者の職業条件の整理や再検討をすすめ、考察の成果をまとめる予定である。また、従来の研究目的の一つである「ホストとゲスト間における感情労働を介した相互作用」の実態を探るため、調査を実施したい。
|