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身体をめぐるイスラームの規範とジェンダー:前近代の思想と法の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K12638
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関東京大学

研究代表者

小野 仁美  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (20812324)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードイスラーム法 / イスラーム医学 / 性差 / 生殖 / 性的マイノリティ
研究開始時の研究の概要

本研究は、前近代のイスラームの思想において、性差についての身体の特徴がどのように記述され、それらがどのようなジェンダー規範を構築していたのかを明らかにするものである。10世紀前後に書かれた古代ギリシア由来の医学書や倫理学書と、同時代に書かれたイスラーム法学書を資料とし、受胎の仕組みや男女それぞれの身体の特徴に基づく性差概念を比較分析する。さらに、結婚や姦通罪などに関わるイスラーム法規定との関係についても検討を加え、近年注目されている性的マイノリティに関わる議論にもつなげていく。

研究実績の概要

本研究は、前近代のイスラームの思想において、性差についての身体の特徴がどのように記述され、それらがどのようなジェンダー規範を構築していたのかを明らかにすることを目的とするものである。資料として、10世紀前後に古代ギリシア思想の影響を受けてイスラーム圏で書かれた医学書や倫理学書と、クルアーンおよび預言者ムハンマドの伝承をもとに形成されたイスラーム法の古典法学書を使用し、それらの比較検討を行う。2年目の令和5年度は、資料収集とそれら一部の検討を主に行い、12月には予備調査の結果を「イスラーム法における男女間の身体的な性差をめぐる記述」として「ジェンダー史学会第19回年次大会(2022年12月11日立教大学)」にて報告した。2023年2月には、スペインより研究者を招聘し、研究会および意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度収集した資料および学会での成果報告後の議論の深化を踏まえ、今年度は資料のさらなる検討を行った成果を11月に報告した。当初の予定はほぼ達成できた。それに加えて、3月にはチュニジアおよびトルコへの出張を行い、追加資料の発掘に努めた。今後は今年度新たに入手する資料をもとに、研究を進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、これまで2回にわたり行った学会報告をもとに論文として仕上げ、学会誌に投稿する予定である。さらに、イランでの追加資料の収集および研究者との意見交換を行いたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (10件) 学会・シンポジウム開催 (7件)

  • [雑誌論文] 「イスラーム法のなかの「子ども」とジェンダー史」2022

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 雑誌名

      『歴史評論』

      巻: 867 ページ: 35-43

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「書評と紹介 八木久美子著『神の嘉する結婚―イスラムの規範と現代社会』」2022

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 雑誌名

      『イスラム世界』

      巻: 97 ページ: 69-77

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 「第2巻編者より応答―イスラーム研究者の立場から」2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 学会等名
      公開シンポジウム「<ひと>から問うジェンダーの世界史」3巻本合評会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「イスラーム法と前近代ムスリム社会の『性別役割分業』」2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 学会等名
      イスラーム・ジェンダー・スタディーズ8『労働の理念と現実』刊行記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「性と性愛をめぐる前近代イスラーム史」2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 学会等名
      イスラーム・ジェンダー学科研 第4回若手研究報告会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] イスラーム法学書に読む「子ども」2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 学会等名
      東京ジャーミイ文書館主催 特別公開文化講座
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] コメント2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 学会等名
      ワークショップ「イスラーム諸国の「人権」規範形成と国際的な信頼醸成」: 池端 蕗子(立命館大学)「イスラーム諸国の「人権」規範形成と国際的な信頼醸成:イスラーム協力機構の事例から」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「イスラーム法における男女間の身体的な性差をめぐる記述」2022

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 学会等名
      ジェンダー史学会第19回年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「ジェンダー研究の流れ(世界)イスラーム圏」「ジェンダーの視点から見た世界(イスラーム圏)」松本悠子,伊藤公雄,小玉亮子,三成美保編『ジェンダー事典』2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      800
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308875
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「日本の大学で「イスラーム」を教える」長沢栄治監修 嶺崎寛子編 『日本に暮らすムスリム (イスラーム・ジェンダー・スタディーズ7)』2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750357164
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「イスラーム思想における生命・身体観』(澤井真と共著)〈ひと〉から問うジェンダーの世界史 第1巻『「ひと」とはだれか?-身体・セクシュアリティ・暴力』2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      9784872597776
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「ムスリム社会のさまざまなフェミニズム」)〈ひと〉から問うジェンダーの世界史 第3巻 『「世界」をどう問うか?― 地域・紛争・科学』2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      266
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      9784872597790
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「イスラーム法と前近代ムスリム社会の「性別役割分業」長沢栄治監修 岩﨑 えり奈・岡戸 真幸編『労働の理念と現実 (イスラーム・ジェンダー・スタディーズ8)』2024

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750357393
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「イスラーム法と家族」山口 みどり, 弓削 尚子, 後藤 絵美, 長 志珠絵, 石川 照子編『論点・ジェンダー史学』2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093502
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「ひと」から問うジェンダーの世界史 第2巻 姫岡 とし子, 久留島 典子, 小野 仁美編『「社会」はどう作られるか?ー家族・制度・文化 』2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      9784872597783
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] Reconstruction of the Maqasid al-Sharia in Ibn Ashur’s Legal Philosophy) Mohammad Moussa, Emi Goto (eds.) , Beyond Modernity: Critical Perspectives on Islam, Tradition and Power (Critical Perspectives on Religion in International Politics)2023

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Ono
    • 総ページ数
      209
    • 出版者
      Rowman & Littlefield Pub Inc
    • ISBN
      9781538150948
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「ムスリム家族の歴史的展開」日本家族社会学会編『家族社会学事典』2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      754
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308349
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「コラム 近現代のイスラームと家族」『岩波講座 世界歴史 21巻 二つの大戦と帝国主義II 20世紀前半』2023

    • 著者名/発表者名
      小野仁美
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000114318
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] International Seminar " Finance in Tunisia: Current Issues"2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 国際シンポジウム 「子どもの権利条約と『子の利益』―チュニジアと日本の事例」(フランス語、日本語)2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] International Seminar "Women's Rights in Work in Tunisia (Including Work-life Balance)"2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 国際シンポジウム「子どもの権利条約と子どもを保護する法―チュニジアと日本」(アラビア語、日本語)2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] Seminar: Tahar Haddad and the Family Law in Tunisia2023

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] Seminar :Ideas of maqasid al-shari'a in the 20th century Tunisia2023

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] Workshop: Muslim Feminism Thoughts in the Early 20th Century: Qasim Amin and Tahar Haddad2023

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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