研究課題/領域番号 |
22K12656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
秋林 こずえ 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (90377010)
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研究分担者 |
宜野座 綾乃 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 准教授 (20786545)
文 京洙 立命館大学, 国際関係学部, 授業担当講師 (70230026)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 在沖縄米軍 / 軍隊性暴力 / 基地村 / トランス・パシフィック / フェミニスト平和運動 / 「アジアの平和と女性の役割」 / 批判的四・三研究 / 冷戦 / 性暴力 / インターセクショナル・フェミニズム / 長期駐留軍 / 朝鮮戦争 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はこの問いを、冷戦下での代理戦争とされた朝鮮戦争が現在も停戦として継続している北東アジアの状況をジェンダーの視点から分析することで検証する。そのために主に以下の2点を分析する。1)北東アジアでの長期駐留軍と性暴力、その不処罰を、沖縄と韓国での駐留米軍による性暴力の実証研究と性暴力の処罰に関する法の運用をめぐるポリティクスから分析、2)現在も継続する紛争としての朝鮮戦争の影響をインターセクショナル・フェミニズムの視点、特に植民地支配され軍事化が継続している島嶼を抑圧の重層構造から捉える島嶼フェミニズムの視点から分析である。
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研究実績の概要 |
本研究は、冷戦が構造化された軍事的性暴力に支えられたシステムと考えられるのではないかという問いに取り組むものである。それを検討するために、①沖縄と韓国での駐留米軍による性暴力の実証研究 と処罰に関する法の運用を日米地位協定・韓米地位協定のポリティクスを中心に分析し、軍事的性暴力がどのように構造化されているか明らかにすること、また、②継続している朝鮮戦争によって長期駐留軍がどのように容認され、構造化されているかを島嶼フェミニズムの視点から明らかにすることを試みる。 本年度は①沖縄と韓国の駐留米軍による性暴力と処罰をめぐり、沖縄では主に1950年代、60年代の犯罪について実証研究を行った。2021年度から引き続き、性犯罪に関する「沖縄 米兵による沖縄の女性に対する性犯罪」年表の改訂を行った。また韓国については、在韓米軍基地周辺の性産業である「基地村」で性産業に従事していた女性たちが中心となって韓国政府に損害賠償を請求した訴訟の大法院判決を求める活動の資料収集を行った。 冷戦期の韓米関係に関しては、済州島四・三事件の批判的研究という文脈から、研究発表を行った。 ②朝鮮戦争とインターセクショナル・フェミニズムに関しては、1990年代初めに韓国、北朝鮮、日本の女性たちが休戦協定以来初めて交流し、アジアの平和と女性の役割について議論した「アジアの平和と女性の役割」会議について資料収集と行い、概要をまとめた。 また、トランス・パシフィックな脱軍事化・脱植民地化をめざすフェミニスト平和運動について研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主な遅れは、韓米行政協定の運用についての研究についてであるが、これは韓国での資料収集や研究活動がまだパンデミックの影響を受けていたために、韓国での研究期間が十分に取れなかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、遅れている韓米行政協定に関する資料収集を進めることと、島嶼フェミニズムと軍隊の長期駐留について、軍事主義を許さない国際女性ネットワークの活動に関しての資料収集と分析を進める。 また、沖縄での米軍による性犯罪の年表の改訂版(13版)を公表に向けてまとめる。
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