研究課題/領域番号 |
22K12660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
南部 健一 東北大学, 電子光理学研究センター, 技術専門職員 (00422072)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | チェレンコフ回折放射 / 非破壊ビームモニター / ビーム位置モニター / チェレンコフ回折放射光 |
研究開始時の研究の概要 |
媒質中の光速度より速い速度で運動する荷電粒子は、その速度と媒質の屈折率に応じたチェレンコフ角でチェレンコフ光を放射することが広く知られている。荷電粒子が誘電体近傍を通過する際にも、同様にチェレンコフ光が放射され、近年チェレンコフ回折放射光と呼ばれ注目されている。チェレンコフ回折放射光の強度は、荷電粒子と誘電体間の距離に応じて変化する性質を有する。本研究は、この事柄を応用し、チェレンコフ回折放射光計測による非破壊ビーム位置モニターの基盤技術の確立と原理実証を行う。
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研究実績の概要 |
チェレンコフ回折放射光の強度は、荷電粒子と媒質(誘電体)間の距離(インパクトパラメータ)に応じて、変化する性質を有すると考えられ、この放射特性を応用した、非破壊ビーム位置モニターの基盤技術の確立と、原理実証を目指して研究を行っている。ビームモニターに応用するためには、チェレンコフ回折放射の放射特性を把握することが必要不可欠である。今年度は、従来の測定セットアップの課題であった、ラジエータ(誘電体)支持金具からの回折放射の影響を抑制するために、その支持方法を変更した新しい実験セットアップを構築し、チェレンコフ回折放射のインパクトパラメータ依存性、角度分布及び波長スペクトルの測定を行った。新しいセットアップによりS/N比が向上したことで、放射強度のピーク位置はインパクトパラメータによらず、その放射強度のみが変化することを、より詳細に確認することができた。波長スペクトルはマイケルソン干渉計を用いた自己相関法で得ているが、これによって得られるインターフェログラムの妥当性を確認するため、周期構造を有するラジエータを用いた場合に放射される、狭帯域チェレンコフ回折放射の測定セットアップを構築した。チェレンコフ回折放射と異なり、狭帯域チェレンコフ回折放射は、観測角によって放射波長が決まる。この特性を利用して分光システムの検証を実施した。その結果、光源の大きさの影響により分解能が低下していることが判明した。しかしながらこれまでの実験で得られた波長スペクトルが、理論的に予測されるスペクトルより低周波数側にシフトする原因については、光源の大きさによる影響のみで説明することは難しいため、更なる調査が必要となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
チェレンコフ回折放射強度のインパクトパラメータ依存性と角度分布の測定は完了したものの、波長スペクトルが理論的な予測と異なっている原因が明らかになっていないため。
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今後の研究の推進方策 |
数値シミュレーションを用いて、チェレンコフ回折放射の波長スペクトルが理論的に予測されるものと異なっている原因を明らかにし、早急に原理実証実験を行う
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