研究課題/領域番号 |
22K12667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
増田 明彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70549899)
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研究分担者 |
渡辺 賢一 九州大学, 工学研究院, 教授 (30324461)
熊田 博明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30354913)
田中 浩基 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70391274)
真鍋 征也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40910005)
原野 英樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (60302775)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 中性子 / ホウ素中性子捕捉療法 / BNCT / シンチレーター / スペクトロメーター / 中性子スペクトル / 放射線計測 / 放射線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のための加速器中性子源のエネルギー分布を測定する手法の確立を目指す。これまでに研究代表者らにより、BNCT用加速器中性子源へのボナーアンフォールディング法の適用性が検証され、大強度中性子に対応可能な検出器も開発されているが、必ずしも中性子計測に最適化されていない多様な施設環境で安定的に実施可能な直接測定法は未だ確立されていない。本研究では、ボナー球スペクトロメーターに新たな検出素子を採用したり、減速材中に中性子遮へい材料を組み込む等の工夫をすることで、現状を打開できる中性子スペクトロメーターの開発に挑む。
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研究実績の概要 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で見られるような大強度中性子のエネルギー分布を実験的に評価するために、微小リチウムガラスシンチレーターを用いた改良型ボナー球スペクトロメーター(微小リチウムガラスBSS)を製作し、産業技術総合研究所の中性子実験施設においてその特性評価実験を実施した。放射線計測実験に最適化されていない医療施設等においても支障なく動作できる信号処理系統を構築し、中性子検出信号の出力を確認した。さらに、京都大学複合原子力科学研究所の研究用原子炉KURの医療用熱外中性子照射設備において、大強度中性子ビームの測定実験を行った。治療レベルの大強度中性子に対しても、シンチレーターの中性子検出イベントに起因して光電子増倍管から得られる電気信号がパルス処理可能な計数率であることを確認するとともに、BSSに期待される、中性子スペクトルに対する計数率の減速材径依存性も観測できた。一方で、特に高計数率測定で重要となるパルス信号処理パラメータの最適化にはまだ改善の余地がある。 一方で、BSS完成後には治療施設内での任意の箇所において中性子サーベイメーターによる「簡易的」な中性子線量測定の結果をBSSによる測定で検証できるようになると期待されているが、その検証に有効な評価地点を見極めるべく、筑波大学のBNCT施設において中性子サーベイメーターによる調査測定を実施した。市販の中性子サーベイメーターでは大強度中性子に対応できないため、低感度にカスタマイズしたサーベイメーターを準備し、測定条件に顕著な差があり有意な検証となる評価地点の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微小リチウムガラスBSSの製作・信号確認・実地試験が順調に進行している。信号処理の最適化が途上であるが、想定の範囲内である。 一方でBNCT施設でBSS測定結果と比較する実用中性子サーベイメーターの測定試験はやや先行して実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
微小リチウムガラスBSSについては、信号処理パラメータの最適化を行い、治療施設等の大強度中性子に対してもより精度の高い測定ができるようにする。その後、詳細な検出器特性評価を行い、治療施設実地での中性子スペクトラルフルエンス測定に取り組む予定である。 その他の方式のBSS(遮へい材入り等)についても検出器特性評価試験を行うとともにに治療施設実地での測定を行い、方式間の考察を行う予定である。
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