研究課題/領域番号 |
22K12672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
塩田 拓也 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 准教授 (20819304)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 中性子反射率法 / インフルエンザ菌 / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
膜タンパク質の動的な変化を解析するには、構造解析によるスナップショットだけでなく、連続的な変化を捉えられる手法が必要である。本研究ではそれを実現する手法として、物質科学分野において界面解析の主要な手法の一つである中性子反射率法の生体高分子への適応を目指す。中性子反射率法解析のための生体膜再構築法を検討し、多様な生体膜解析へ応用可能な方法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、膜タンパク質の動的な変化を解析する手法として、界面解析法の一つ中性子反射率法の適応を目指している。中性子反射率法では、Si-Wafer上に生体膜を再構築し、その上部を液体で見たし、固体ー液体界面として解析することで詳細な解析を行う。初年度は、大腸菌のベータバレル型膜タンパク質輸送装置BAM複合体の再構築を目指した。BAM複合体は、中心因子であるBamAにBamB-Eの4つのタンパク質が会合して複合体を形成する。これまで、BamAに対して、BamCを除くサブユニットの会合には成功していたが、BamCのみはBamAに安定的に結合させることができていなかった。今回、BamCが安定して結合できない問題に対して、BamCを生体膜を再構築する際の脂質を加える前にWaferに固定することで、BAM複合体に安定的に取り込まれることがわかった。その後、BAM複合体の他のサブユニットであるBanmA, B, D, Eを加えることでBamCの構造変化を捉えることができた。構造変化がin vivoでも起こりうる生理的な現象であることを部位特異的光架橋法で確認した。また、その中で、構造解析に必要なプロセスである界面活性剤による可溶化が複合体のダイナミクスに大きな影響を与えており、状態が限定されてしまっていた原因であることを突き止めた。そのほか、再構築する膜の標的として、ヘリコバクターピロリ、インフルエンザ菌のタンパク質の精製を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生体膜の再構築については、基準としていたBAM複合体については完全な複合体の再構築に成功している。また中性子反射率法の一般化を睨んだ、他の生物種の膜タンパク質の精製についても成功しており、研究は滞りなく進行できている。
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今後の研究の推進方策 |
大腸菌のBAM複合体については、基質に存在するシグナル部分の結合状態を再構築し、構造解析等によってダイナミックに構造変化すると想定されている構造変化を中性子反射率法によって解析する。一般化に向けた、他の生物種についてはインフルエンザ菌のadhesin、Hiaを中心とした再構築を目指す。
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