研究課題/領域番号 |
22K12683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 晃介 九州大学, 学術研究・産学官連携本部, 准教授 (30735121)
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研究分担者 |
岡田 義広 九州大学, 附属図書館, 教授 (70250488)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アイディア創出 / ヒューマン・コンピューター・インタラクション / アイデア創出 / アート思考 / デザイン思考 / 対話型進化計算 / 共創 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「優れたアイデア」を創出する方法の研究を行う。
「優れたアイデアが生まれる背景には、参加者の内発的動機付けが影響していた」という先行研究の理論を基に、内発的動機付けを誘発すると想定される「願望(Desire)」に着目したアイデア創出手法を研究する。チームメンバーの潜在的な「願望」を引き出す手段として、対話型進化計算によるコンピューターの支援を活用する。
本手法の評価方法として、アイデア創出の「起点」に於いて、本手法と対極にある「デザイン思考」を比較対象として本手法の有用性を比較評価する。また、本研究を進めながら、人間とコンピューターとの共創によるアイデア創出の可能性も模索する。
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研究実績の概要 |
優れたアイディア生み出すためのアイディア創出の方法として、AIを活用したアイディア創出方法に関する研究活動を進めた。今年度は、特にAIに関する関連研究の調査に注力して時間をかけた。 研究計画当初は、アイディア創出のプロセスにおいて活用するAIとして、対話型進化計算を想定していた。対話型進化計算を利用する事で、チームメンバーの潜在的な願望を抽出し、優れたアイディアを生み出す事を画策していた。しかしながら、AIに関する調査を進める中で、対話型進化計算だけでなくチャット型AIの活用の可能性や推薦型AIの活用の可能性などが検討されるようになり、アイディア創出において当初企画していたAI以外の活用の可能性も見えてきた。 加えて、AIに関する研究を調査する過程で、新たな研究協力者にも出会う事ができ、来年度以降の実践に向けた研究計画について議論する事ができた。具体的には、実際に実践的な実験を行うフィールドとして、高等学校との連携を視野に入れた計画やその実験の際のAIを活用したアイディア創出方法のなどを議論した。 また、国際的なアントレプレナーシップ教育の研究者と議論を行う事ができる研究連携体制を構築して、定期的なミーティングを行なった。その議論の中で、アイディア創出プロセス等のチームでの活動における非認知的な能力の研究などの事例について議論し、本研究を進めるにあたっての助言などを頂いた。 なお、当初予定していた対話型進化計算に関しても、試作版のシステム開発を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
優れたアイディアを生み出すためのアイディア創出方法を支援するためのAIとして、当初は対話型進化計算に注力して関連研究等の調査を行なっていたが、近年のチャット型AIの研究の進展等もあり、より広範囲にAIに関する調査を行なった結果、調査にかける時間が多くなってしまった。結果として、システム開発にかける時間が少なくなり開発が遅れたため、それに伴ってシステムを利用した試験運用の時間を取る事ができなかった。そのため、研究成果の発表につなげることもできなかったため、予定より計画が遅れる形となった。 しかしながら、アイディア創出のためのAIについて、より深く調査できたことや、調査過程で新たな研究協力者に出会えたことで、来年度以降の具体的な実践に向けた研究計画について議論する事ができた。加えて、国際的なアントレプレナーシップ教育の研究者と連携する体制がとれたことで、今後、定期的なミーティングを通じて本研究への助言を頂けることになった。これらの成果を活かして次年度以降の研究を進め、研究の遅れを取り戻していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
アイディア創出のプロセスに利用するAIの調査過程で、対話型進化計算のAIだけでなく、チャット型AIや推薦型AIの可能性など、アイディア創出に活用できそうなAIの可能性について幅広く調査を行なった。その結果、アイディア創出のプロセスでチャット型AIをうまく活用することで、チームメンバーの潜在的な願望を従来の計画よりもよりうまく引き出す事が可能ではないかとの考えに至った。そこで、対話型進化計算にこだわらずに、チャット型AIの利用も含めたアイディア創出の方法検討し、より優れたアイディアを出すためのAIの活用法について研究を進めていく予定である。 また、研究協力者と連携して、高等学校を実践のフィールドとして、AIを活用したアイディア創出の実験を進めていく予定である。
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