研究課題/領域番号 |
22K12688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
村山 祐子 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (50726445)
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研究分担者 |
臺 美佐子 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 准教授 (50614864)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / エコー / 接触冷感 / 履き心地 / 通気性 / リンパの流れ / 編構造 / デザイン性 / 弾性ストッキング / デザインアプローチ / 治療継続性 / Quality of Life(生活の質の向上) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、デザイン学と看護学との融合によりリンパ浮腫患者のセルフケア支援を図り、生活の質の向上を促し社会貢献に資するものである。 リンパ浮腫はがん治療後の合併症で慢性的な浮腫である。治療の発展に伴う延命率向上と高齢化に伴い、がんとリンパ浮腫と共に健やかに暮らし続けることが求められている。この背景から、我々はリンパ浮腫患者のセルフケア支援として、弾性ストッキングに快適性を追加した夏季適用の接触冷感ストッキング開発に着手し、リンパ浮腫患者らへの実装可能性が高いことを見出した。 これまでの我々の実績と知見を基に、セルフケアの継続を目指し、弾性ストッキングのデザイン化及びその臨床効果検証を実施する。
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研究実績の概要 |
リンパ浮腫の弾性ストッキング効果を評価する指標を探索し、真皮と皮下組織の構造を非侵襲的に観察可能な超音波画像機器(エコー)によるアセスメント方法を検討した。急性期病院2施設での横断観察研究により、上肢リンパ浮腫、下肢リンパ浮腫患者の患肢の特徴を抽出した。真皮、皮下組織の内部エコー所見の特徴をアルゴリズム化した。 また、弾性ストッキング試作品と他製品との接触冷感をQMax値で比較し、かつ履き心地を調査した。弾性ストッキング試作品は接触冷感性があると評価され、かつ、他製品と比較して良好な成績であった。下肢リンパ浮腫患者の試着では、冷感を感じると回答した割合が高かった一方、装着時間が短く、履き心地に課題があることが示唆された。履き心地に影響すると考えられる弾性ストッキングの引っ張り強度を調査したところ、大腿部の生地が伸びづらいことが明らかとなったことから、今後の改善点であると考えられる。他に、弾性ストッキング試作品と他製品との、通気性についての比較を行った。他製品との比較では、良好な数値が観察された。今年度の検査では、方法の方向性の確認ができたが、測定器に弾性ストッキングを設置して検査した場合と、着装して計測した場合とでは、値が異なる可能性がある。そのため、今後、検査方法の精度を上げるために更なる測定方法の向上をはかる。 市場調査および東洋医学を専門とする医療者へのヒアリングを行った。市場調査では、ファッションとしてのストッキングの市場の動向とニーズを調査し、医療者へのヒアリングにおいては、リンパの流れに対するアプローチ方法についての確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
下肢リンパ浮腫患者への調査計画について、新型コロナウィルス感染拡大の影響により臨床調査の制限が生じたこと、大腿部の生地の伸びづらさを改善させるための生地選定・生地製造機器の調整に時間を要したことがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
科学療法中のしびれにアプローチするリハビリについて有識者に参画してもらい、また股関節のリハビリ方法について調査をおこない、データを取り、文献検索などを行う。保養解析を試みる。 協力企業らとのディスカッション及び試作を重ね、リンパの流れを促す圧力のかけ方について、ストッキングの編組織による効果的な方法がないか検討を行う。 接触冷感および通気性に関するデータ採取に関しては、より正確な測定ができるように治具を作成し、n値を増やして実施する。
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