研究課題/領域番号 |
22K12693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
田中 栄治 関西国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (70388875)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 西澤文隆 / 建築思想 / 建築 / 庭園 / 建築と庭園のかかわり / 住宅 / 工芸 / 多様化 |
研究開始時の研究の概要 |
大正から昭和初期の生活改善運動を背景として、住宅における建築と庭園の連繋や、建築家と造園家の連繋についての議論や提言が行われていた。さらに、昭和初期には住宅における建築・庭園・工芸の連繋、および建築・造園・工芸の3つの職能にたずさわる人々の連繋の重要性に関する提言がみられる。その後、建築家による庭園研究・庭園設計、さらに家具などの工芸デザインが行われるようになる。本研究では、ここにみられる住宅における建築・庭園・工芸の連繋の視点を明らかにすることにより、これからの居住者の多様なニーズに対応した住宅をつくるための知見を得る。
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研究実績の概要 |
初年度は研究計画の再確認を行い、調査対象を建築と庭園のかかわりを明らかにするために日本庭園研究・実測を行った建築家 西澤文隆が発表した論考のうち、検索および入手可能な全論考に絞り込んで、主に文献調査を進めた。本研究では、これらの論考を分析することにより、建築と庭園のかかわりを追求した西澤の建築思想の全体像について総体的かつ相対的に、その特質を明らかにし、それを戦後日本の建築思潮の流れの中に位置付けた上で、その変遷を明らかにすることを企図し、さらに西澤の求める「Ordinary(普通)」な建築の本質や特性を明らかにし、これからの建築にとっての現代的意義を解明することにより、建築・庭園・工芸の連携の一端を明らかにすることを目的としている。 文献調査として、まず国立国会図書館本館及び関西館、神戸市立中央図書館、神戸大学建築系教室図書室において資料収集を行い、さらに図書館での収集が困難な資料、研究上重要と考えられる資料については古書店において購入し、あるいは出版元より取り寄せた。 本年度は、西澤文隆の論考について392編を収集し、それらの論考から西澤の建築思想の主題となる3,021の言説を析出し、構造化を行い、鍵語の抽出を行った。抽出された鍵語は意味のまとまりに応じて整理を行い、意味の階層性の視点から検討し、まず第1水準として「建築」「庭園」「建築と庭園のかかわり」の3項目を導き出した。その後、第1水準のそれぞれの項目ごとに第2水準から第4水準の鍵語の整理を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年5月19日より国立国会図書館の個人向けデジタル化資料送信サービスが開始されたことにより、ネット環境を通じた文献調査がかなり進んだ。館内限定のデジタル化資料や、デジタル化されていない資料については、国立国会図書館本館および関西館において資料収集を行った。古書店における資料調査、あるいは出版元への資料の問い合わせについてもネット環境を通じた検索が可能であり、資料収集が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、第1水準として導き出した「建築」「庭園」「建築と庭園のかかわり」の3項目ごとに第2水準から第4水準の鍵語を整理・検討し、析出した言説が掲載されている論考、またそのうちの該当言説を含む箇所の本質的なテーマに沿って分類を行い、考察を行うものとする。合わせて、研究成果を日本建築学会等で発表する準備を進める予定である。
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