研究課題/領域番号 |
22K12694
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
|
研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
猪股 健太郎 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (30750830)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 決定的瞬間 / 写真 / 評価尺度 / デザイン原則 |
研究開始時の研究の概要 |
決定的瞬間とは,変化のあるシーンを的確に捉えた静止画像を指すと考えられるが,これまで実証的かつ統合的にその定義や類型は明確にされてきていない。また,決定的瞬間の程度が,シーンの認知に及ぼす影響についても,充分に検討されてきていない。そこで本研究では,まず調査的研究で評価尺度を構築することにより,決定的瞬間とはどのように特徴付けられるか明確にする。さらに,この知見に基づき,決定的瞬間の評価に関する認知処理について,物理的特徴と評価時の視線パターンも含めて分析し,静止画の視覚メディアの有効性を高めるデザイン原則策定のための基礎的な検討を行うことを目指す。
|
研究実績の概要 |
出来事のある瞬間を巧妙に切り取り.被写体に関する情報をありありと鑑賞者に伝達し,様々に想像を膨らませるような写真は“決定的瞬間”と呼ばれるが,本研究ではその心理的・物理的な特徴を心理学的な手法を用いて明確にすることを目的とする。すなわち本研究では,尺度構成法を用いて評価尺度を作成することで,決定的瞬間を構成する下位概念を明確にし,決定的瞬間を撮影するためのデザイン上の指針を示すこととする。これらを達成するために,2022年度は以下の研究活動を行った。 まず,評価尺度構築のための準備として,決定的瞬間に関連すると考えられる概念である,主に工学分野で検討されてきたベストショットに関する先行研究や,心理学分野で検討されてきた物体の運動中の画像に関する心理現象である表象的慣性や,静止画から喚起される時間の印象に関する先行研究についてレビューを行った。このことにより,各概念や現象における,画像を特徴づける形容語が収集された。次に,決定的瞬間を表現する素朴な形容語を収集するための予備調査の計画が策定され,所属機関の倫理委員会から許可を得た。この予備調査では,写真の特徴を言語化しやすい参加者が必要であるため,あらかじめ写真に対して興味・関心が高い参加者をスクリーニングすることとなった。さらに,評価尺度が構築された後に,これを応用して評価中の視線パターンを検討するための準備として,実験環境の構築を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最低限のレビューや調査計画の認可までは至ったものの,予備調査の実施や視線計測装置の導入等,複数のタスクが実施できなかったため,やや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は認可されている計画通りに予備調査を実施し,決定的瞬間に関する形容語を収集し,その結果に基づいて,本調査を行い,評価尺度の構築を推進する予定である。また,評価尺度の項目に基づいて,決定的瞬間の程度が統制された実験刺激の作成についても推進し,視線計測装置の導入を行うなど,実験環境の整備も行う予定である。
|