研究課題/領域番号 |
22K12706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
神沼 英里 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (90314559)
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研究分担者 |
大野 暁彦 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (00758401)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | デジタルツイン / 深層学習 / 街路樹 / 道路網 / デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
技術発展でデジタルツインの構築が容易になり、都市環境のデジタルツイン化研究の報告が増えている。都市緑化のデジタルツイン研究は、脱炭素社会実現に向けて重要課題であるが未だ報告は少ない。本研究では都市緑化管理に着目して、深層学習を用いた街路樹の道路網上配置デザイン手法とデジタルツイン化手法を提案する。具体的には、衛星画像を使って街路樹単木の属性(緯度・経度・物体領域)を自動抽出するAIと、街路樹の指定本数に合わせた道路網上位置画像を生成するAIを構築することで、街路樹配置デザインとデジタルツイン化を推進する。
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研究実績の概要 |
2年度目は街路樹の画像認識AIモデルを構築した。AIモデルの構築には衛星画像ではなく、昨年度には購入したGEOSPACE航空写真データ2500を使用することに決めた。この理由は、航空写真の画像解像度が、衛星画像と同等またはそれ以上だった為である。また研究初期計画は、物体検出AIモデルを構築する予定だったが、自治体の管理情報である、個々の街路樹で計測されている緯度・経度の位置情報が不正確であった事から、樹高の画像推論AIモデルの構築に変更した。AIの学習データは名古屋市千種区の航空写真(07ND042、07NDA044)から街路樹部分の画像をCROP処理で抽出した。使用した航空写真は2020年5月に撮影され、1図郭のサイズは2.0km×1.5km、画素サイズは8,000×6,000(地上解像度25cm, 世界測地系)である。緑領域を含まない抽出画像は、AIの学習データから除外した。この画像抽出作業はMATLABと画像処理Toolboxを使用した。AIモデルの構築には、Google Colaboratory環境とPyTorch Image Modelsライブラリを利用した。ImageNet-21kデータセットで学習されたVision Transformer(ViT)モデルを基に学習データでFine Tuningした。抽出された街路樹の画像は50×50ピクセルで、AIモデルはこれを4つの樹高クラス(4-6m、6-8m、8-10m、10-12m)に分類する。樹高クラス毎に75枚の画像を訓練データとし、テストには10-15枚を使用した。樹高分類AIの評価値(Accuracy)は、訓練データで93%、テストデータで63%だった。低精度の原因の1つとして、街路樹の樹種の多様性が考えられる。今回のデータでは11種類の樹種を含んでおり、樹種を考慮したデータの整備等が今後の検討課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、航空写真から抽出した名古屋市の街路樹の領域画像データを用いて、街路樹の樹高を推定する画像分類AIを構築した。計測された街路樹の緯度・経度といった位置情報が不正確であった事から、管理上で重要となる樹高推定をする画像分類AIを構築した。使用した航空写真は名古屋市千種区を含み、CROP処理を施して緑領域以外を排除した。AIモデルの開発にはGoogle ColaboratoryとPyTorch Image Modelsライブラリ、及びVision Transformerモデルを用いた。樹高は4つのクラスに分類した。評価では、訓練データの精度は93%、テストデータでは63%となった。
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今後の研究の推進方策 |
街路樹の緯度経度情報に加えてデジタル道路データを活用することで、3km x 3km に分割した道路網+街路樹を掲載したAI 学習用の画像セットを作成する。道路網+街路樹の入力画像から、街路樹本数を入力とする配置デザインAI を作成する。
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