研究課題/領域番号 |
22K12710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
杉浦 明弘 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (00528630)
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研究分担者 |
丹羽 政美 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (80832170)
田中 邦彦 岐阜医療科学大学, 薬学部, 教授 (60313871)
高田 宗樹 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40398855)
楳田 雄 (楳田雄大) 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (30804306)
桐山 彩季 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 助教 (70824407)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 機能的MRI / 映像酔い / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
映像酔いに関わる脳内情報処理を考慮した生体信号(身体動揺と眼球運動)の収集とそのデータを利用した映像酔い兆候を捉える方法の技術基盤開発を行う。本研究でははじめにfunctionalMRIを用いて映像視聴中の中心視認および周辺視認時の脳活動部位の同定を行う。次に、感覚矛盾の程度を自由に変化できるシステムを用いて、映像酔いの原因理論(姿勢不安定性理論と眼球運動理論)の関連性を脳活動部位の結果を利用して詳細に明らかにする。最後に、測定された身体動揺と眼球運動、そして補助的に脳活動部位の情報を利用して、映像酔い兆候を捉える方法の技術基盤の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、fMRIを用いた脳活動情報を考慮し、身体動揺や眼球運動計測から映像酔いの兆候を検出する技術基盤の開発を目的としている。本年度は、昨年から引き続き視機能と脳活動の関連性を調査する目的で、優位眼機構と脳機能の関連性についてfMRIを用いて調査した。 実験については事前に優位眼を特定した被験者に対し、視覚誘導性姿勢変化(VEPRs)(視覚性動揺病も誘発しやすい)を誘発するよう設計された映像を周辺視野で視認させながら、連続してBOLD法にて脳機能画像を撮影した。映像視認の方法は従来の方法と同様で、ヘッドコイル上部の眼前約15cmの位置に約40度程度傾けたミラーを設置し、ガントリー内で臥位の状態で足方向が視認できるようにして、足元に設置されたスクリーンに映像を映した。被験者ごとに左右ランダムな順番で片眼を遮光布で覆い視野を制限した状態で映像を視認させた。 fMRIの結果については、優位眼での視覚情報処理中のみ楔前部および後頭葉上部で脳活動の増加が見られ、これらの領域が優位眼に関わる視覚情報処理において重要な役割を果たしていることが示唆された。これらの活動領域は非対称的に、主に優位眼の反対側で発生していた。合わせて本研究では優位眼とVEPRsの関係も調査したが、優位眼と非優位眼による差異は認められなかった。この結果の根本的な理由はさらなる調査が必要であるが、VEPRsが複雑で視覚情報に協調された反応であることを考慮すると、視覚入力の差異が処理中に統合され、姿勢変化の発現に影響を与えなかったと考えられる。 最後に、これまでの研究を統合すると、視運動性眼振が発生しやすい映像を優位眼で視認したときが最も脳活動性が高くなる傾向が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画よりも視覚性動揺病に関連する脳機能領域の特定に時間がかかっている状況である。これまでの検証実験により、視運動性眼振が発生しやすい映像を優位眼で周辺視認した際、局所的に脳活動が高くなる傾向が示された。ゆえにこの領域が視覚性動揺病と直接関連するかを十分な被験者を対象に検証する必要があると考えており、視覚性動揺病感受性が異なる被験者に対して同様の実験を行い、この傾向が変化するか否かを確認する。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には、先述したように視覚性動揺病感受性が異なる被験者に対してこれまで行ってきた同様の実験を行い、仮説の検証を進める。合わせて、研究計画に従い、fMRI以外の映像視認中の眼球運動計測、重心動揺計測、主観的な酔い症状アンケートを同時に取得し、深層学習用のデータセット構築を進める。
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