研究課題/領域番号 |
22K12712
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
|
研究機関 | 名古屋国際工科専門職大学 |
研究代表者 |
小山 登 名古屋国際工科専門職大学, 工科学部, 教授 (70448009)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | コロナ禍における新たなデザインプロセス / クレイモデルレスの新デザインプロセス / モデルレスのデザイン評価手法による新しい意思決定 / デザイン評価 / デザインマネジメント / パネル評価 / ニューノーマル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、研究代表者が平成21~23年度に実施した基盤研究(B)「製品デザイン開発プロセスにおける非当事者による評価(パネル評価)手法の研究」の研究成果をベースに大変革期にある自動車業界の現状を踏まえた、「デザイナー及びマネジメントのための新たなデザイン評価制度の構築」を狙いとする。前研究ではパネル評価制度の有効性を確認したが、評価結果の活用に関しては、意思決定の参考とはされたものの、経営幹部とデザイン部門の明快な意思決定ツールとして機能したとまでは言えないことが分かった。そこで以下の手順で、新しいデザインマネジメントの意思決定ツールとして活用できる評価手法の確立を目指すことにした。
|
研究実績の概要 |
本研究は、先行研究が主として自動車のスタイリング(外形的デザイン)を対象としていたのに対し、100年に一度と言わる大変革期における自動車という製品、それを取り巻くサービス、それらを包含した新しいユーザー体験のデザインを対象とする。デザインの意思決定の対象や手法も大きく変わり、オンラインやリモートなどを取り入れるなどした新しい動きがある中、企業への聞き取りや質問票による調査で実態を再度把握し、新時代のデザインの意思決定のための評価手法を考察することにある。 令和5年度は、全体の計画の中での第2段階の年で、昨年の第1段階で収集した情報などから課題を整理・分析し、新たなデザインの意思決定の方法論の仮説を構築することがメインで、特に、米国でのヒヤリングで得た新プロセスの動きやリードタイムを短縮した評価手法などの動きをキャッチできたのは、大きな成果となっている。また、新たな評価方法と確定するのに不足している情報については、必要に応じて、補足のインタビューや企業訪問などを実施して補完していく。一方で、新たに日欧米の国際比較などを行い、それぞれの差異を明らかにする計画であったが、ベースとなる新評価方法か確定できていないためヒヤリングやアンケートが実施できずにいる。 上述のように、盛りだくさんのことを実施する第2年度ですが、実際、コロナ禍後の各自動車メーカーの社外との接触は、引き続きコロナ禍前のような自由な接触はできない状態で、担当者との面会や出先での打ち合わせなどが思うようにできずに、電話やメールによる一般的な情報交換しかできない時期が長く続いている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、全体の計画の中での第2段階の年で、昨年の第1段階で収集した情報などから課題を整理・分析し、新たなデザインの意思決定の方法論の仮説を構築することがメインで、特に、米国でのヒヤリングで得た新プロセスの動きやリードタイムを短縮した評価手法などの動きをキャッチできたのは、大きな成果となっている。また、新たな評価方法と確定するのに不足している情報については、必要に応じて、補足のインタビューや企業訪問などを実施して補完していく。一方で、新たに日欧米の国際比較などを行い、それぞれの差異を明らかにする計画であったが、ベースとなる新評価方法か確定できていないためヒヤリングやアンケートが実施できずにいる。 上述のように、盛りだくさんのことを実施する第2年度ですが、実際、コロナ禍後の各自動車メーカーの社外との接触は、引き続きコロナ禍前のような自由な接触はできない状態で、担当者との面会や出先での打ち合わせなどが思うようにできずに、電話やメールによる一般的な情報交換しかできない時期が長く続いている。しかし、海外のデザイン拠点では、以前のように、訪問ができインタビューできる環境にあり、そんな中、米国のカリフォルニア州にある拠点では、引き続きコンタクトがとれて、訪問もでき、今までのデザインプロセスを大きく変えることとなっている新しいプロセスの現場を体感させてもらえたのは、大きな成果となっている。 現在、これらの内容を、論文化にすべく取りまとっめの最中で、日本感性工学会、もしくは日本デザイン学会で研究成果発表の準備を進めている。最終年度の前半になってしまうが、研究発表に向けての作業が進展している段階で、第3年度の報告には、具体的な成果が確認できると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
この第2段階で得た「新デザインプロセス」をベースに、他の企業ではどうしているのかを追加調査して、この「新デザインプロセス」と比較して検討して、新しいプロセスへの移行が確認できた時、更に進展すると思われる。 今後は、こういうプロセスの動きがあるという例を提示しながら、各企業がそれと比べてどうなのか、あるいは、独自の新しいプロセスなどを開発しているのかなど、聞ける範囲で、情報を収集していき、次年度のテーマである、日欧米のプロセス比較まで調査できればと考えている。仮に、日欧米のプロセス比較調査まで行かなくても、国内で確実に起きている「新しいプロセスの流れ」はしっかりとキャッチして、「新デザインプロセス」として、確立していきたい。
|