研究課題/領域番号 |
22K12742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 (2023) 東北大学 (2022) |
研究代表者 |
羽鳥 康裕 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 新技術安全研究グループ, 任期付研究員 (30750955)
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研究分担者 |
石井 圭 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70803899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多感覚情報処理, / 予測 / 行動 / 視触覚 / 感度調整 / 多感覚統合 / 循環調整 |
研究開始時の研究の概要 |
動的な環境で適切な行動を取るためには、行動に関係する感覚情報を優先的に処理する必要がある。触覚情報はものを操作するなど、外界とインタラクションを行う上で重要である。触覚の感度調整には循環系が関与しているが、循環系は調整に時間がかかるため、予測的な調整を行うことで遅延に対応していることが考えられる。触覚情報は直接物体に触れるまで得られないため、視覚情報から予測される触覚情報が、循環調整を介する感度調整に関与していることを検討する。
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研究実績の概要 |
適切な行動を取るためには、外界のセンシングが重要である。感覚情報は一様に処理されるわけではなく、行動の目的に関係する感覚情報が優先的に処理される。触覚情報はものの操作に関わるため、外界とのインタラクションを行う上で重要な情報である。触覚の感度調整には循環系が関与しているが、循環系は調整に時間がかかる。予測に基づく調整を行うことで遅延に対応していると考えられるが、触覚情報は直接物体に触れるまで得られないため、触覚以外の感覚モダリティ、特に視覚が予測に関与している可能性がある 視覚情報による予測が触覚情報処理に与える影響の検討を行った。視覚情報から予測される触覚情報が呈示された場合に、その後呈示される触覚刺激の弁別感度が上昇するかどうかを検討した。ヘッドマウントディスプレイと触覚呈示デバイスを用いた仮想環境を用いることにより、視覚情報と触覚情報を独立に制御する実験環境を構築した。視覚情報と触覚情報が一貫しているかどうかに関わらず、刺激が見えることが触覚感度を向上させたが、実験参加者間の差が大きかった。そこで、個人ごとの傾向を分析したところ、視覚情報呈示の影響を大きく受けていた実験参加者は触覚情報呈示の影響が小さく、視覚情報呈示の影響が小さい実験参加者は触覚情報呈示の影響が大きかった。これは、個人によってどの感覚情報を重視するかに差があることを示唆する。次年度に生理計測を含めた実験を実施し、感度調整のメカニズムや個人差の原因を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心理実験を実施し、先行呈示される視触覚情報によって、後続の触覚刺激に対する感度が変化することを示した。ただし、循環応答を計測するためには、刺激呈示間隔を伸ばすことが必要になったため、実験系の修正を行った。修正は完了したため、2024年度前半に生理計測を含めた実験を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前半に生理計測を含めた実験を実施する。心理計測と生理計測によって得られたデータを分析することで、予測に基づく感度調整のメカニズムや個人差の原因の検討を行う。得られた成果を論文として取りまとめる。
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