研究課題/領域番号 |
22K12747
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
渡邉 創太 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80738386)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | デルブーフ錯視 / 運動錯視 / PsychoPy / セキセイインコ / ハト / 運動刺激 / 錯視 / 比較認知科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的を達成するためには、①targetとinducerの混同可能性を棄却できる新実験デザインの構築が有効であり、また研究結果の解釈の妥当性を確認するためには②各動物種においてtargetとinducerの混同が生じやすい図形形状の解明が、それぞれ有効である。よって本研究ではセキセイインコ・ハト・ヒトの3種を対象とし、系統的なデルブーフ錯視実験群を実施する。①速さ弁別課題を用いて大きさ錯視の知覚傾向を分析するという新たに考案した種比較錯視研究の実験デザインによるものと、②錯視図形の要素を様々に操作することで従来の実験デザインの妥当性を検証する実験群を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①デルブーフ錯視図形のうちtarget(錯視が生じる部位)とinducer(錯視を誘引する部位)とを被験体が混同していないことの実証可能な新実験デザインの検証と、②各動物種においてtargetとinducerの混同が生じやすい図形形状の解明である。 2年度目である本年度は、目的①②のため、昨年度より持ち越しとなった、実験への馴らしで困難を示す個体への馴らしの継続であるが、今年度はその原因の一つとして餌が正常に呈示されていないことがある装置の不具合を発見し、対処した。しかし、実験へのモチベーションは昨年度ほどではないにせよ低調であり、本研究計画で必要とする試行数を各セッションで実施するのは極めて困難である。よって、次年度も引き続き馴らしを続け、モチベーションの増加を図る必要がある。また、同じく昨年度より持ち越しとなった実験装置の調達・増設は、今年度完了した。これにより、刺激をやや遠距離から呈示することが可能となり、刺激の大きさ(視角)が錯視知覚に与え得る影響の統制が可能となった。 目的①のため、ヒトを対象としたデルブーフ実験の新実験デザインを、初年度実験から刺激呈示条件を操作して再度実施したが、錯視知覚は見られなかった。天井効果が疑わるため、再度刺激呈示条件の微調整が必要である。 また目的①のため、ハトにおける実験を新装置を用いて開始したものの、視角操作が課題難易度を多く高めたようであり、訓練は著しく遅滞した。次年度も引き続き訓練を続けるとともに、セキセイインコ実験の開始を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の反省を踏まえて目的①のための実験デザインを大きく修正し、かつ装置の一部を改造することで長年懸案であった刺激サイズ(視角)が錯視知覚に与える影響を最小限にする実験装置を用いての新実験をハトで開始できた。しかし、新装置・新デザインでの実験は、上記メリットとともに、課題難易度を大きく引き上げるデメリットも存在したようである。新奇な装置での行動実験に被験体が対応するのに、予想外に時間が割かれている。ハト4個体のうち、3個体の訓練がようやく軌道に乗ってきたものの、うち1個体が老齢により実験からドロップアウトするというトラブルにも見舞われている。
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今後の研究の推進方策 |
ハトの上記新実験について、訓練が不可能ではないことは確認できたので、残る個体で引き続き訓練を続けていく。 加えてセキセイインコでも同様の実験をする必要があるが、これは、ハトの実験がある程度の目処がついた上で実施予定である。今年度中には開始できればと考える。 ヒトを対象とした実験も計画中であるが、上記天井効果を解決するだけでなく、鳥類で実施している新実験デザインに対応する実験を実施予定である。
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