研究課題/領域番号 |
22K12763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柿川 真紀子 金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (10359713)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 交流磁場 / 膜タンパク質 / トランスポーター / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞膜タンパク質や薬物トランスポーターに対する60Hz磁場影響を測定し、磁場による抗がん剤作用の増強メカニズムの解明することを目的とする。 また、タンパク質構造はその機能に密接に関係することから、60 Hz磁場によりタンパク質の立体構造への影響を明らかにできれば、磁場曝露によるタンパク質機能の制御技術につながることが期待できる。
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研究実績の概要 |
これまでの研究より、一部の抗がん剤(シスプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン)のヒトがん細胞に対する殺細胞作用は、交流磁場曝露によって増強されることを見出した。そこで固形がんの場合に、その病巣に交流磁場を曝すことで薬剤作用を高められれば、投薬量を減らし副作用を抑える標的薬剤療法が可能になると考えられる。本研究は交流磁界による薬剤増強のメカニズムを明らかにすることを目的として、細胞膜に存在する薬物トランスポーターに着目し、当該年度では薬物トランスポーターの細胞内への取り込み機能に対する交流磁界影響について測定を行った。抗がん剤ドキソルビシンの細胞内への取り込みトランスポーターについては、他の研究者によりOCT3, OCT6, OCTN1等が報告されている。また、ドキソルビシンは蛍光を有する薬剤でもある。そこでドキソルビシンのトランスポーターを発現していると報告のあるヒト肺がん細胞株A549を用いて、交流磁場曝露下と非曝露下でそれぞれ細胞内に取り込まれる薬剤量をドキソルビシンの蛍光値を指標として測定し、両群の比較を行った。数回の実験結果により、交流磁場曝露4時間では、非曝露群に比べて、細胞内のドキソルビシン取り込み量が4%多くなり、統計処理の結果から有意差があることが確認された。現在、薬物トランスポーターを介して細胞内に取り込まれる他の蛍光物質を用いて、さらに交流磁界曝露による薬物トランスポーターへの影響について測定を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の通り進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
他の蛍光特性を有する化学物質(関与するトランスポーターがドキソルビシンと異なる)を用いて、交流磁界曝露による細胞内への取り込み量の測定からトランスポーターへの影響を評価する。
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