研究課題/領域番号 |
22K12771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 北海道情報大学 |
研究代表者 |
越野 一博 北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (90393206)
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研究分担者 |
樋口 隆弘 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30739850)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ニューラルネットワーク / データ拡張 / 敵対的生成ネットワーク / 少数例学習 / PET / SPECT / 画像生成 / PETイメージング / SPECTイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、医用画像間に存在する共通特徴と固有特徴を活用し、少数教師データでの高い推論性能をもつニューラルネットワーク学習の実現である。 ニューラルネットワークにおける効率的な学習を実現するために、教師データに存在する共通特徴と固有特徴を独立学習する手法の確立する。提案手法のコンセプトは単純なため、病態検出、ノイズ除去など他のニューラルネットワーク・モデルへの幅広い応用が期待できる。少数の教師データから病態を忠実に反映する画像を生成し、教師データの水増しが可能となることから、収集が困難な希少疾患例や新規放射性薬剤で撮像した画像診断支援AIの性能向上に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、医用画像群に存在する共通特徴と固有特徴を活用し、少数教師データでの高い画像生成能力をもつニューラルネットワーク学習の実現である。今年度は、3次元画像の生成および高解像度化を目的とした。同一被検者の脳18F-FDG PETおよびCT画像(例数318)を同時生成するための手法の検討を行った。生成画像の属性は横および縦方向画素数128、スライス数64である。 教師画像の3次元化および高解像度化に伴って、ニューラルネットワークのパラメータ数が増大した。それに比して、学習に利用可能なデータ数は少数であり、前年度と同じアプローチでは、高品質な画像を生成できなかった。そこで、共通特徴を大域的特徴、独立特徴を各被検者画像の固有の特徴と定義し直して、ネットワークの構築を行った。共通特徴の生成器(G1)に対して、10枚の3次元画像を教師画像セットからランダムにサンプリングし、平均化した画像を学習させた。独立特徴の生成器(G2)の学習過程においては、G1はパラメータ変更を不可とし、G2の役割は、G1が生成した画像に対する独立特徴を画像に付与することとした。 生成画像に求められる条件は、実画像に類似しつつ、バリエーションを持つことである。この条件を客観的に評価する指標の構築も目指した。実画像との類似性は、実画像群と生成画像群との距離を測るFrechet Inception Distance(FID)、生成画像の多様性についてはPETおよびCTのそれぞれの生成画像群における画素単位の標準偏差(SD)とした。生成画像過程のPET画像についてのSD/FIDとCT画像についてのSD/FIDの和が最大になるエポックにおける(学習回数の単位)を決定した。導入した指標は、視覚的評価との矛盾はなく、生成器の画像生成能力を測る客観的指標として利用可能と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2つの異なるモダリティからなる高解像度3次元画像の生成を可能とするネットワークおよび学習方法、生成画像の質を客観的に評価しうる指標を定義した。本研究の目的である少数教師データでの高い生成能力をもつニューラルネットワーク学習の実現に近づいている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度とは異なる撮像部位(体幹部)を対象とする画像を用いて、本手法の汎用性を評価する。生成画像の質向上と、より少数の教師画像での学習を可能にするネットワークの構築を行い、教師画像に対する生成画像の忠実度を、読影医による視覚的評価や定量的指標を用いて評価する。
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