研究課題/領域番号 |
22K12776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
上村 和紀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10344350)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 心原性ショック / 体外膜型人工肺 / ECMO / 左心補助装置 / LVAD / 循環管理システム / 体外式膜型人工肺 / コンピュータ制御 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、体外式膜型人工肺(ECMO)を適用した重症循環不全患者における循環管理を支援する、コンピュータ(PC)制御ECMO循環管理システムを開発することである。ECMOは、心原性ショック等の重症循環不全や新型コロナウィルス感染症(COVID19)等に伴う重症呼吸不全において、循環呼吸維持のために適用される。しかし肺水腫等の合併症があり、その救命率は依然として不良である。本研究では、申請者が開発してきた心臓血管作動薬投与をPC制御する循環管理システムや機械学習循環モニターを、ECMO管理に応用し発展させ、一般医でも専門医レベルの適切なECMO循環管理を可能にするシステムを開発する。
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研究実績の概要 |
コンピュータ制御と機械学習による体外式膜型人工肺ECMOの全循環管理システム開発を行った。 ECMO装着時の血行動態は、循環平衡理論に基づきモデル化されている。そのモデルを拡張し、計測される血圧・自己心拍出量・左右心房圧・肺動脈圧から、自己心機能・有効循環血液量・血管抵抗を推定するアルゴリズムを開発した。強心剤・血管拡張剤等のECMO循環における心機能や血管抵抗への影響を数理工学的にモデル化した。モデルに基づき、心機能や血管抵抗を薬剤制御する負帰還PI制御器を設計し、またECMO流量も負帰還PI制御で自動制御可能にし、ECMO循環管理システムを開発した。 麻酔下ビーグル犬において、冠動脈塞栓により心原性ショックモデルを作成した。ECMO補助により左心房圧上昇するECMO LUNGモデルを作成し、開発したシステムで補助したが、ECMO管理下の薬剤のみによる循環補助は困難であった。心原性ショックに対するECMO管理では、経皮的LVADも用いられていることが多い。そこで、開発したシステムにLVAD制御システムも組み込み、ECMO-LVAD循環管理システムとして再設計した。 麻酔下ビーグル犬心原性ショックモデルにおいて、開発したECMO-LVAD循環管理システムの循環制御を検討した。心原性ショック状態においてECMOのみの補助ではECMO LUNGとなったが、ECMO-LVAD循環管理システムを全起動することで、左心房圧は速やかに目標値へ低下し、血圧も正常化されることを確認した。 開発したECMO-LVAD循環管理システムはECPELLA(=ECMO+IMPELLA)の複雑な血行動態における循環管理にも応用可能であり、さらなる開発を推進していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、計画していたECMO循環管理システムを基盤開発できた。またそのシステムの検証を行い、ECMO-LVAD循環管理システムへと発展できたことから、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
開発したECMO-LVAD循環管理システムの循環制御の精度・安定性を、麻酔下ビーグル犬心原性ショックモデルにおいて確認する。コンピュータ制御による心臓血管作動薬投与の閉ループ制御システムの基盤開発も引き続き行う。またこれらシステムの臨床応用に必須になる、低侵襲心拍出量モニターや、左心房圧モニターの開発も行っていく。
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