研究課題/領域番号 |
22K12779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
喜納 裕美 (早下裕美) 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (60532728)
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研究分担者 |
喜納 宏昭 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主幹研究員 (70283067)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / AAV / 免疫応答 / コアシェル複合体 / ポリマー / 筋ジストロフィー |
研究開始時の研究の概要 |
筋ジストロフィーなどの一遺伝子欠損による遺伝病の多くは現在のところ対症療法が主であり、根治療法が存在しないものが多い。実験的には様々な疾患に対してAAVベクターを用いた補充療法が有効である。 しかし、筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、ミオチュブラーミオパシーに対する治験などの結果から、十分な薬効を得るためにはAAVベクターの大量投与 (>1E14v.g./kg BW)が必要であるが、これに起因すると思われる死亡例も報告されており、ベクター大量投与による毒性が懸念 されている。 本研究ではベクター自体の投与量を大幅に減らし、治療遺伝子を安全に長期発現可能にするための方法を検討する。
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研究実績の概要 |
AAVと体性幹細胞(MSCs)を用いて免疫寛容誘導を試みた筋ジストロフィー犬のサンプルについて、血清中抗AAV中和抗体価の測定のために、中和抗体測定系を立ち上げ、測定を行った。この結果、AAV+MSCの併用投与群においても、AAV投与から2週後および4週後はAAV(+)/MSC(-)群と抗体価に差は見られなかった。投与後16週ではAAV(+)/MSC(+)群ではMSC(-)群の半分の抗体価となった。 また、AAV3元系コアシェル複合体の物性解析の準備として、AAV-LuciferaseおよびAAV-GFPを作製・精製し、分担研究者に提供した。 複合体の物性解析を行うために、AAVベクターについてMass Photometryを用いた物性解析、Octetを用いた分子間相互作用解析の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AAVとMSCを併用投与した筋ジストロフィー犬のサンプル(PBMC)について、ELISPOTの解析機器が所属研究室になく、免疫学的な解析が未達である。2023年度末に導入されたので今後行っていく予定である。 また、本課題で用いるAAV9-microdystrophinの大量精製に時間を要しており、in vivoでの投与実験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
別課題で非ヒト霊長類に対するAAV+体性幹細胞の併用投与後の安全性、血清中抗AAV中和抗体価、免疫応答を検討中である(AAV投与は筋肉内投与)、イヌでの結果(AAV投与は全身投与)とも照らし合わせて解析を行う。 AAVベクター単独またはAAV-TA-Polymer(三元型複合体)について、物性解析、および中和抗体回避の再現を取り、筋ジストロフィーモデルマウスに投与を行った際のジストロフィンの発現の検討を行う。
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