研究課題/領域番号 |
22K12791
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
木口 崇彦 法政大学, 生命科学部, 助教 (00635261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 血液透析濾過 / 逆濾過 / ファウリング |
研究開始時の研究の概要 |
間歇補充型血液透析濾過(intermittent infusion hemodiafiltration ; I-HDF)では、逆濾過方式で補液を行うことで、血圧の安定化とともに透析膜の目詰まり解消効果が期待できる。ただし、実際の治療は血圧維持を重視して施行されるため、目詰まりを解消するための至適条件についてはほとんど調査されていない。本研究では、血液浄化器内圧力分布の理論計算と透析濾過実験による溶質除去性能評価から、透析膜の洗浄に効果的な補液の操作条件を見出し、高い溶質除去性能を維持可能なI-HDF治療法を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
逆濾過の膜洗浄効果を評価するための新たな手法として、走査型プローブ顕微鏡(SPM)による膜の観察について検討した。膜素材がポリスルホン(PSf)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の二種類の血液透析濾過器を使用して、牛全血を用いた透析実験を逆濾過なしと逆濾過ありの二通りで行い、中空糸内側表面の状態を比較した。PSf膜では、逆濾過なしの透析実験後にはマクロ孔がほぼ閉塞し、膜の表面粗さは減少したが、逆濾過ありでは多数のマクロ孔が観察された。PMMA膜では、逆濾過なしの透析実験後には粒子状物質の付着が観察されたが、逆濾過ありでは膜の凹凸構造が観察された。これらの結果より、SPM測定はタンパク質が付着したことによる膜の表面状態の変化を捉えることができ、ファウリングの評価に有効であることが示唆された。 また、水系の透析濾過実験にて、膜の洗浄に効果的な逆濾過方法について検討した。血液浄化器の透析液入口と出口の両ポートから同時に高流量で逆濾過補充を行うことで、溶質除去性能の経時的な低下を抑制することができたが、高除水速度を設定した際に生じる強固なファウリングに対しては逆濾過の効果は限定的であった。この補充方法と同等の洗浄効果は、血液側に補充液を加えた直後に、透析液側から通常の逆濾過補充することでも確認できた。したがって、血液側流量の増加によって中空糸内側を予め洗浄することが、逆濾過の洗浄効果を向上させる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファウリングの直接的な評価に関して、従来の走査型電子顕微鏡(SEM)による膜の観察に加え、新たにSPMによる膜の表面状態の測定を達成した。これにより、SEM観察では実験条件による明確な違いが見られなかった均質構造の膜に対しても、逆濾過の洗浄効果を評価することが可能となった。透析濾過実験においては、水系実験で様々な影響因子について系統的に調査を行い、膜の洗浄に有効と考えられる新たな逆濾過法の提案に至った。以上の成果が得られたことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に行った水系の透析濾過実験で得られた知見を元に、牛全血を用いて、溶質除去性能の低下抑制に効果的な膜洗浄方法を模索する。特に、血液側に補充した直後に透析液側から逆濾過補充を行う二段階の補充の洗浄効果について検証する。また、限外濾過実験によって、膜表面での濃度分極層の形成や、血液側流量の増加による濃度分極層の除去について、これらの機序の解明に取り組む。
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