研究課題/領域番号 |
22K12798
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
浅野 豪文 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30552476)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 細胞融合 / 筋芽細胞 / 多核化 / 細胞内カルシウム / 合胞体 / Cre-loxP / 骨格筋 / 筋形成 / カルシウムイオン / 光遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋は損傷を受けると速やかに回復することができる再生能力を持ち、活動量に応じて機能的、構造的な適応能を持つ可塑性に富んだ組織である。細胞内外環境の恒常性維持が組織の生存、活動にとって本質的意味を持っているが、細胞機能の可塑性と細胞内イオン動態との連関については不明な点が多い。本研究は細胞活動を規定する細胞内イオン動態の時空間的、量的な分配による骨格筋の恒常性維持の分子メカニズムを明らかにすることを目指す。
|
研究実績の概要 |
筋芽細胞融合について解析を進めた。骨格筋分化において単核の筋芽細胞が互いに融合することで多核の合胞体である筋管細胞を形成する。これまでに筋芽細胞融合において細胞内カルシウムが関わることが示唆されている。カルシウムチャネルの阻害が筋管細胞形成を抑制するとされているが、細胞内カルシウムの時間的、量的な変化がどのように関与しているかは不明である。そこで光スイッチを用いて筋芽細胞の細胞内カルシウム濃度変化を誘導し筋管形成を解析した。 チャネルロドプシン(ChR)を発現する光応答性筋芽細胞に対する光照射は細胞内カルシウム上昇を引き起こし、光に同期したカルシウムシグナルが惹起された。筋分化誘導時に光を照射したところ、筋管細胞数が増加することが認められた。形成された筋管細胞に含まれる核数と細胞径は非照射群と比べて有意に高値を示した。また幼弱な筋管細胞における筋芽細胞の二次融合において筋芽細胞または筋管細胞を特異的に刺激したところ、筋芽細胞に対する刺激は刺激された筋芽細胞由来の核を持つ筋管細胞が増え、取り込まれた核数が増加していた。一方で筋管細胞に特異的な刺激はコントロールとの有意な差は認められなかった。これらの結果から筋形成過程における筋芽細胞の細胞内カルシウム上昇は筋芽細胞融合を促進させ、筋管細胞との二次融合においては筋芽細胞特異的に制御されていることが示唆された。また長波長シフトさせた小胞体光スイッチの開発を進めた。原形質膜と小胞体膜を介するイオン輸送経路を単一もしくは同時に光操作するために活性波長の異なる小胞体光スイッチの作製を試みた。橙色光(600 nm)に吸収波長を持つChrimsonに小胞体保留シグナルやリンカーを調節して応答性、制御性の最適化を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究計画に従い進められている。
|
今後の研究の推進方策 |
複数の光遺伝学ツールを用いて経路特異的なカルシウムシグナルと骨格筋形成機構について調べる。
|